製薬会社ならではの「食」提案。忙しい女性に豆スープを

2017年2月28日

ロート製薬にとって初の試みである「食」事業の第一弾『ダルーラ』が昨年11月にロート通販にて販売開始となりました。キーワードは「豆」と「朝食」。製薬会社であるロートが「食」に取り組む理由は?そして製品開発の裏側に込められた思いとは?
生薬・食品素材化プロジェクト兼 健康経営推進グループの熊沢益徳、商品企画部の樗木真帆が語ります。

20~30代女性の多くが、慢性的な栄養不足

▲生薬・食品素材化プロジェクト兼 健康経営推進グループ 熊沢益徳

ロート製薬は、長年医薬品や化粧品を開発する中で、美と健康を生み出す身体は毎日の「食」でつくられ、「医食同源」ともいわれるように「食」こそが健康に直結すると考えるようになりました。「薬に頼らない製薬会社」を目指し、新たな挑戦の第一弾として、その思いを製品化したのがこの『ダルーラ』です。

「開発のきっかけとなったのはロート社員の食習慣への危機感からでした。健康経営を推進する立場として、社員の健康診断結果を調査したところ、特に20~30代女性でBMI18.5未満のいわゆる“痩せ”に分類される社員が、年々増えてきていることがわかったのです※1(熊沢)

「さらに社員の生活習慣を調べてみると、なんと20~30代女性の20.7%もの人が朝食を食べていないことがわかりました※2。健康経営を掲げる以上、まず若年女性の朝食を見直す必要があるのではないかと思いました」(熊沢)

厚生労働省の調査をみても、20~30代女性の1日のエネルギー摂取量の平均値※3は、1日に必要なエネルギー推定量※4よりも少ないことがわかっています。この値は、なんと戦後(1946年2月時点)の食糧入手が困難だった時代のエネルギー摂取量平均値※5よりも少なく、若年女性の栄養状態は深刻な社会問題といえます。

「だからこそ、忙しい朝でも手軽に食べられて、おいしく栄養があり、食べたあとの仕事がはかどる、そんな製品を作りたいと思いました」(熊沢)

▲商品企画部・樗木真帆

「実は私もまともに朝食を食べないことが多かった1人なのですが、現代の女性は忙しい毎日の中で無意識に偏食や欠食を繰り返していたり、お菓子やジュースなどカロリーが高く栄養に乏しい“エンプティカロリー”と呼ばれる食事で空腹を紛らわせていたりなど、知らず知らずのうちに慢性的な栄養不足に陥ってしまっています。美容やファッションには気を使っているのに、栄養は意識していない。そんな女性たちに警鐘を鳴らしたいという思いもありました」(樗木)

このような背景は、まさに製薬会社として取り組むべき問題であり、「食から健康をつくり、社会を健康にする」というロートの理念にも通じています。

女性に不足しがちな栄養素を「豆」で摂る

「忙しい朝でも女性が手軽に食べられて、おいしく栄養があり、食べたあとの仕事がはかどる、そんな製品が作りたい」。そのために、熊沢がはじめにおこなったのが素材の選定です。

「さまざまな素材候補があった中、タンパク質と食物繊維が豊富で、女性に不足しがちなビタミン・ミネラルもバランスよく含まれている“豆”に注目しました。同じ穀物である米や小麦と比較すると、タンパク質比率が一番高いのは“豆”です。朝食では炭水化物に加えてタンパク質と食物繊維を摂ることが理想的です。タンパク質は脳の活性には欠かせない栄養素ですが、栄養バランスの取れた食事をすると集中力が持続するので仕事もはかどりますし、朝に食物繊維を摂っておくと昼食時に血糖値が上がりにくいというメリットもあります(セカンドミール効果)」(熊沢)

その「豆」というバトンを受け取ったのが、商品企画部の樗木。調理法は?味つけは?若い女性に受け入れられ、毎日おいしく食べ続けてもらえる製品にするためにはどうすればいいか、いろいろな可能性を探り、悩んだ時期もあったと樗木は話します。

「日本には、味噌やしょうゆ、豆腐といった豆を使った食文化はすでに深く根づいていますが、あらためて日常的に“豆”を取り入れてもらえるよう提案をするという点で難しさがありました。豆をおいしく毎日の食事に取り入れている食文化を探す中で、たどりついたのが、南アジアでは日本の“味噌汁”にたとえられるほど毎食食べられているダル“(豆)”を使ったスープ料理でした。これらの地域では宗教上の理由でベジタリアンが多く、豆が肉に代わる重要なタンパク源、栄養源として食べられていることがわかったのです。日本人にはまだ馴染みのない料理ですが、この食文化の知恵をうまく取り入れられないかと考えました」(樗木)

「数ある豆の中でも、こだわったのはとくに女性に大切な栄養素を多く含んでいるということです。食物性タンパク質としては大豆が代表格ですが、大豆だけでは充分に摂取できない葉酸や鉄といった栄養素を含む“ひよこ豆”と“レンズ豆”の組み合わせに着目しました。ダルーラで使用している豆は“100%オーガニック”ですが、工業化するほどの量を作っている農家はなかなかなく、豆の調達にはとても苦労しました」(熊沢)

「豆とスパイスにこれほど向き合った日々はなかった」

もうひとつ、南アジアで出会ったのが“スパイス”。さまざまな効能を持つことで知られるスパイスの種類はとにかく豊富で、味もさまざま。日本では“辛さ”や“刺激”といったイメージがありますが、樗木が着目したのが「旨み」でした。

「スパイスには辛味だけでなく、甘みを感じるものなど数多くの種類があります。種類や配合を工夫することで“辛さ”ではなく、日本にはない“旨み”を表現することもできます。種類や配合を何度も変え、調整を繰り返し、豆が持つ味わいを引き出す旨みにたどりつきました。豆を使ってスープを作ると決めたときから、主役である“豆”本来の食感にとことんこだわりました。豆をつぶさずに最適な食感を生かすために、製造方法にもこだわり、まるで茹でたてのじゃがいものような豆のほくほくした食感を実現しています」(樗木)

「食」事業の展開が決まり、素材の研究から始まった製品開発。2016年11月11日の販売までに費やしたのは2年強もの月日。「豆とスパイスにこれほど向き合った日々はなかった」と2人は振り返ります。ちなみに、『ダルーラ』という商品名は、ヒンディー語で豆を表す「ダル」という言葉を固有名詞化したものです。

ロートの「朝活」で広がる健康経営の可能性

▲ロート製薬グランフロント大阪オフィスでおこなった「朝活」の様子

熊沢が兼務する「健康経営推進グループ」で昨年7月から取り組んでいるのが、20~30代女性を中心にした「朝活」です。この「朝活」とは、始業時間より1時間早く出社し、朝食を食べたり体幹トレーニングをしたり、朝の時間を有効に使う活動のこと。

「ふだん朝食を食べていない社員に毎朝ダルーラを含む朝食を食べてもらったところ、『おいしい』『身体が温まっていい』『元気が出て仕事の効率が上がった』などの声が寄せられました。ロート製薬の健康への取り組みに共感した企業からも「朝活」を実施したいというお声をいただき、すでに2社で実施。管理栄養士さんを含む約50名が参加した企業でも“朝活”の良さを実感いただき、ダルーラはいい製品に仕上がったんだなと確信しました」(熊沢)

「朝食を食べないことが多かった私自身も、あらためて朝食の大切さを肌で感じることができました。ダルーラを食べると身体が温まりますし、スパイスですっきり目が覚めます。周りの女性社員からも『身体にいいことをしている実感がある』などの感想を聞くとうれしいですね」(樗木)

製薬会社だからこそ担うべき「食」への取り組み

食という事業展開の、新しい一歩を踏み出したロート。「ダルーラは自信作です」としながらも、「まだ小さなスタートを切ったにすぎない」と2人。

「“健康経営”を掲げる部のミッションとしては、私たちが作った商品を食べてくださった方が健康でいられて、元気に働けて、社会の元気につながる、そんなブランドを作ることが目標です。ロートだからこそできる強みは、製薬会社として培ったデータや実績をもって、身体へのエビデンスを追求しながら“食”を提案することだと思っています」(熊沢)

「社会の健康につながる食提案という点では、女性の健康だけでなく家族の健康も考えていきたいです。今回、ダルーラという“食”事業の第一弾がスタートして、とても可能性を感じています。スパイスの配合や豆の組み合わせを変えるなど、今後もさまざまなフレーバー展開を考えていきたいです。手軽においしく食べられて、かつ毎日続けられる“食”を提案することで、“これを食べていたら、気づけば健康になっていた”、そんな食品を今後もお届けしていきたいですね」(樗木)

ダルーラの商品情報はこちら


※1:ロート社員の健康診断統計結果(20~30代女性N=462、2016年7月)
※2:ロート社員への生活習慣アンケート:朝食欠食率(20~30代女性N=333、2016年10月)
※3:厚生労働省「平成26年国民健康・栄養調査結果の概要」《参考》栄養素・食品群別摂取量等に関する状況 20代女性1,662kcal、30代女性1,651kcal
※4:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の参考表 推定エネルギー必要量 18~29歳女性1,950kcal、30~49歳女性2,000kcal
※5:厚生労働省「昭和22年(1947年)国民栄養の現状」第1表 栄養摂取量(1)都市より エネルギー摂取量平均値1,696kcal

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