ロート製薬 × 漁業

よそものだから、出来ることがある。

地震、そして津波。壊滅的な打撃を受けた東北沿岸部の中でも、特に漁業は支援が遅れていました。そんな中、ロート製薬復興支援室(当時)の佐藤功行は体当たりで、現地の漁師たちにぶつかっていきました。寝食を共にし、早朝から水揚げを手伝い、漁師が苦手なマーケティングや飲食店への営業、自分が役に立てることを必死で探しました。佐藤の本気が漁師たちに伝わっていきました。もはや、彼はひとりの「漁師」でした。
佐藤は言います。「東北におきている問題は、他人事ではない。」人口の空洞化、過疎高齢化、産業の後継者不足。日本の第一次産業が悲鳴をあげています。
私たちは一年でいったいどれだけの海の恵みを食しているでしょう。そして、それがどれだけ日本人の健康を助けているでしょう。ほうっておいていいわけがありません。
産業としての漁業を活性化するために、私たちになにができるのか。東北から日本の未来を考える。これも、ロート製薬の挑戦です。

NEVER SAY NEVER For Tohoku

東北の地に、未来(あした)の種を

みちのく未来基金 〜震災遺児に進学の夢を〜

「みちのく未来基金」とは、東日本大震災で親を亡くされた子どもたちに高校卒業後の学業支援を行う基金です。必要な学費を全額支援し返済も不要です。
「神戸でやり残したことがある」。ロート製薬会長の山田邦雄は、「阪神・淡路大震災」を経験した時に、子どもたちの支援まで満足にできなかったことを悔やんでいました。そんな経験から、東日本大震災では震災発生より約2週間という早いスピードで社内に「復興支援室」を立ち上げました。4月4日に現地入りしてまずは学校に薬箱を届ける活動を開始。そして、10月にはカゴメ株式会社、カルビー株式会社と三社で子どもたちの夢を応援する「みちのく未来基金」を立ち上げました。震災当時にお腹の中にいた子どもが卒業するまでの、約25年にわたる長期的な支援の覚悟を決めたのです。
この基金の特徴は、単なる金銭的な支援にとどまらず、子どもたちの気持ちに寄りそう基金として運営しているところです。困難な状況にある子どもたち一人ひとりと向き合い、学校の先生と共に一緒に背中を押してあげたいと思っています。震災後5年が経ち、すでに卒業して社会で活躍している子もいます。新しい時代を担う東北の子どもたちの思いを大切にして応援したい。そんな想いの込もった「みちのく未来基金」です。

みちのく未来基金

新しい漁業の仕組みを模索する

宮城県北東部、東日本大震災の震源地に最も近い場所の1つである雄勝(石巻市)は、津波被害により建物の8割が流されてしまい、一時期人口の8割も流出してしまいました。
ロート製薬の佐藤功行は震災後、会社の復興支援活動に志願。雄勝に入ると漁師と寝食を共にする中で、最初はよそ者扱いであった漁師たちからも少しずつ受け入れられ、頼られるようになっていきました。
漁業を活性化し地元に活気を取り戻すために、とりわけ支援しているのが、「雄勝そだての住人」です。生産者と消費者、お互いの顔が見え、繋がる新しい漁業の仕組みづくりを目指しています。消費者は雄勝の海の幸を購入すると「雄勝そだての住人」(会社と同名のコミュニティ会員)となります。会員は実際に漁師と一緒に海に出たり、漁師ならではの調理方法を伝授してもらうイベントに参加できます。生産者と消費者が直接触れ合い、食を通じてつながる新しいコミュニティが生まれています。

新しい価値を地域と創る

震災によって東北で起こっている若年人口の空洞化、過疎高齢化、後継者不足などの問題は15年、20年先の日本の地方でも、同じように起こりうるでしょう。多くを失った土地で、何を新しい価値として生み出すのか。何もない中で新しいモデルを創ることは、日本の未来を創ることにつながります。ただ単にボランティアとして元にあったように戻すだけの復興ではない。“新しい付加価値”をつなぐ、生み出す、それがロート流の復興支援なのだ、と佐藤は考えています。

雄勝そだての住人