「肌のたるみ」研究の新知見

「肌のたるみ」研究の新知見

海藻エキスの一種が肌のハリ・弾力に不可欠な「エラスチン線維」の軸となる「LTBP-4」の産生を高め、エラスチン線維を増やすことを確認しました。

2012年5月31日

ロート製薬株式会社(本社:大阪市、社長:吉野俊昭)は、「再生美容」を重点研究テーマに掲げる研究拠点「ロートリサーチビレッジ京都」において、コラーゲン線維を束ねる重要な役割があり肌のハリ・弾力に不可欠な「エラスチン線維」の“軸”となるたんぱく質、「LTBP-4」(Latent TGF-β Binding Protein 4)に着目した研究を行ってきました。LTBP-4はエラスチン線維を形成するために必須のたんぱく質です。
本研究の結果、「アスパラゴプシスアルマタエキス(紅藻エキス)」が「LTBP-4」の働きを高め、エラスチン線維形成を促進することを確認しました。尚、この成果は2012年6月23日、第12回日本抗加齢医学会総会(6月22日~24日、パシフィコ横浜(横浜市)において開催)、で発表します。

研究の背景

当社は研究拠点「ロートリサーチビレッジ京都」において「再生美容」を重点研究テーマに掲げ、基礎研究や素材の開発などより川上の研究を強化しています。長年、肌のたるみに着目して研究を行う中で、肌の弾力を支える肌内部の「エラスチン」に着目しました。エラスチンは皮膚では微量しか存在していませんが、体内の弾力性に富む臓器に多くあり、肌の弾力にも欠かせない成分と考えたからです。実際にコラーゲン線維を束ね弾力の元となることが分かり、当社では2006年に世界初のエラスチン産生を高める素材「テトラペプチド-5」を開発した後、エラスチン線維を束ね強くする成分等を見出し、最先端のエラスチン研究を進めてまいりました。


「LTBP-4」について

エラスチン線維の軸となるたんぱく質で、エラスチン繊維を作る際に必須と言われています。また、たるんだひだとなって垂れ下がる余剰皮膚を特徴とする皮膚弛緩症の原因遺伝子の一つであり、体内では弾力性の高い血管壁等に多く発現するたんぱく質です。


アスパラゴプシスアルマタエキスについて

紅藻の一種であるアスパラゴプシスアルマタから抽出したエキスです。化粧品原料として広く使われています。


エラスチン線維について

皮膚の弾力性を保っている線維。真皮の80%近くはコラーゲン線維ですが、コラーゲンそのものは太く固い線維で、鉄骨のように肌の土台を支えています。エラスチン線維は2%程度ですがコラーゲンの間にからみあうように存在し、コラーゲンを支えることで肌の弾力性を保っています。年齢とともにエラスチン線維量は減ることが分かっており、年とともに肌の弾力が衰える原因のひとつとして知られています。
線維芽細胞から作られ、エラスチン軸のまわりにトロポエラスチンというエラスチンの卵がつき、太い線維を作っていくことがわかっています。


結果(1):アスパラゴプシスアルマタエキスがLTBP-4の産生を高める

数百種類の素材をスクリーニングした結果、アスパラゴプシスアルマタエキスがLTBP-4の産生を高めることを確認しました。

試験方法:線維芽細胞に候補素材を添加し、培養後、LTBP-4産生量をELISA法で定量した。

結果(2):アスパラゴプシスアルマタエキスがエラスチン線維の産生を高める

アスパラゴプシスアルマタエキスがエラスチン線維の産生を高めることを確認しました。

試験方法:線維芽細胞にアスパラゴプシスアルマタエキスを添加し、培養後、エラスチン線維の蛍光染色を行った。
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考察

研究の結果より、アスパラゴプシスエキスはLTBP-4の産生を高め、その結果エラスチン線維の形成を高めると考えられます。
LTBP-4は肌の弾力を保つために重要なたんぱく質であり、その働きを高めエラスチン繊維を増やすアスパラゴプシスエキスは皮膚のアンチエイジングに有用な機能性素材となり得ることが分かりました。


今後の応用

本研究結果をふまえ、さらにハリ・弾力を保つ成分開発を続けてまいります。また、今回有用とされたエキスは化粧品や外用剤など、アンチエイジング製品への応用を考えています。


■参考資料

<参考文献>

Mutations in LTBP4 Cause a Syndrome of Impaired Pulmonary, Gastrointestinal, Genitourinary, Musculoskeletal, and Dermal Development
Am J Hum Genet.2009 November 13;85(5): 593â605.


■用語解説

線維芽細胞

コラーゲンやエラスチンなどを生み出す細胞。皮膚の弾力やハリを保つために重要な細胞です。


参考:皮膚の構造と代謝(ターンオーバー)

皮膚は大きく表皮、真皮、皮下組織の3層に分かれています。美しい肌づくりには、肌が常に新しく生まれ変っていく肌代謝(ターンオーバー)というサイクルが規則正しく行なわれることがとても大事なポイントです。規則正しい肌代謝はみずみずしい細胞を生み出し、若々しい肌へと導きますが、年齢とともに肌代謝が落ち、様々な肌悩みを引き起こすことがわかっています。