食品に応用可能な「低分子コンドロイチン硫酸」の開発及び工業化に成功

食品に応用可能な「低分子コンドロイチン硫酸」の開発及び工業化に成功

実験モデルにおいて、腸管吸収が高いことを確認。有用な食品素材として期待

2012年7月25日

ロート製薬株式会社(本社:大阪市、社長:吉野俊昭)は、機能性素材の探索を重点研究テーマに掲げる研究拠点「ロートリサーチビレッジ京都」において、食品に応用可能な「低分子コンドロイチン硫酸」の開発及び工業化に成功しました。低分子化したコンドロイチン硫酸は高分子のものに比べて、吸収性が高い事が知られていますが、食品に応用可能なものは今まで開発されていませんでした。今回、新たな技術で食品への利用が可能となり、また工業化にも成功しました。通常のコンドロイチン硫酸よりも一度の摂取量を減らせる可能性があります。また、研究の結果、「低分子コンドロイチン硫酸」は動物モデルにおいて、関節炎に起因する浮腫を軽減する可能性がみられました。なお、本研究結果は、2012年7月13日(金)、The 9th Asia-Pacific Marine Biotechnology Conference(7/13~16、高知市文化プラザ(高知市)において開催)において発表しました。

1. 研究の背景

当社は差別性と競争力を備えた新製品の開発を可能とするため、研究拠点「ロートリサーチビレッジ京都」に おいて、機能性素材の探索や製剤技術の研究を積極的に推進してまいりました。関節炎に効果のある素材を探索する中で、より吸収性に優れた成分を開発するに致りました。


2. 「コンドロイチン硫酸」について

体内の多くの組織に存在する物質で、粘膜、涙、関節軟骨内にも存在する成分です。非常に優れた保水性を持つという特長があります。関節では、軟骨がスムーズな動きをするために水分をつなぎとめる役割をしており、加齢とともに減少していく軟骨に働きかけ、健康な関節の維持をすると言われています。医薬品では点眼剤、内服剤、食品では機能性食品への配合実績があり、通常は高分子のものが使われています。


3. 「低分子コンドロイチン硫酸」について

コンドロイチン硫酸を低分子化するためには、食品添加物として許可されていない酵素や酸化剤を用いることが多く、食品への利用可能なものがありませんでした。今回、特殊な熱水処理により、食品への利用が可能で、かつ工業的に生産可能な「低分子コンドロイチン硫酸」を開発しました。


4. 研究結果

[研究1]低分子コンドロイチン硫酸の吸収率

試験方法:反転腸管サック法により、各素材の吸収性を比較した。
試験結果:低分子コンドロイチン硫酸の吸収量は、高分子のものよりも14. 5倍高いことが明らかになった。



[研究2]関節炎モデルにおける浮腫抑制効果

試験方法:ラットを用いたⅡ型コラーゲン誘発関節炎モデルにより、低分子コンドロイチン硫酸の有用性を評価した。
試験結果:浮腫の抑制効果はコントロール群・高分子コンドロイチン硫酸投与群と比べて低分子コンドロイチン硫酸投与群では低値を示す傾向が認められた。


5. 考察

今回開発に成功した食品に応用可能な低分子コンドロイチン硫酸は、反転腸管での吸収率が高く、1回あたりの服用量を減らせる可能性がある食品素材である。また、関節炎に対する有用性も示唆され、今回開発した低分子コンドロイチン硫酸は、機能性食品素材として非常に有用であると考えられる。