アーティチョークエキスにメラノサイトの老化に伴うシミを予防する効果があることを発見

「大人のシミ急増(加齢に伴うシミ)」に着目した素材の探索 アーティチョークエキスにメラノサイトの老化に伴うシミを予防する効果があることを発見 メラニン生成をコントロールするグルタチオン産生促進効果を発見

2014年12月8日

ロート製薬株式会社(本社:大阪市、社長:吉野俊昭)は、「再生医療」や「機能性素材の探索」を研究テーマに掲げる研究拠点「ロートリサーチビレッジ京都」にて、アーティチョークエキスに、メラノサイトの老化に伴う色素異常(シミ)を予防する効果があることを発見しました。加齢に伴うシミは、メラノサイトの老化によってグルタチオンが減少することが1つの原因と考えられています。グルタチオンは、もともと体内に存在しチロシナーゼ活性抑制効果等を持つことでメラニン生成をコントロールする働きがあります。しかし、メラノサイトの老化によりグルタチオンが低下すると、チロシナーゼを抑制できなくなり、色素異常が起こります。アーティチョークエキスは、このグルタチオンの産生を促進することで、チロシナーゼ活性を抑制することが本研究によって明らかになりました。今後、アーティチョークエキスは、「大人のシミ急増(加齢に伴うシミ)」に着目した美白化粧品などの製品開発に応用していく予定です。

研究の背景

加齢に伴うシミなどの色素異常は、メラノサイトの老化が関与していると考えられています。未だメラノサイトの老化については十分に理解されていませんが、メラノサイトの老化によって、チロシナーゼ活性抑制などの働きをもつグルタチオンが減少するために、色素異常が起こると考えられています。そこで今回、メラノサイトの老化とグルタチオンに着目し、メラノサイトのグルタチオン産生量を増やすエキスを探索しました。

※培養ヒトメラノサイトの継代進行に伴い、メラニン化が顕著となることについての報告
Ochiai Y., Okano Y., Funasaka Y., Ichihashi M. Effects of a-tocopherol on aging melanocytes - In vitro study -. 第52回日本皮膚科学会中部支部総会・学術大会要旨集(2001)

アーティチョークとは

アーティチョーク(Artichoke、Globe artichoke、学名:Cynara scolymus)は、キク科チョウセンアザミ属の多年草。和名はチョウセンアザミ(朝鮮薊)。地中海岸、北アフリカ原産の植物で、ヨーロッパでは一般的な野菜として知られており、市場などで売られています。蕾を野菜として食用する他、葉や花などには利尿促進、強壮、胆汁分泌促進、コレステロール低下等の効果が知られています。含まれる成分として、シナリン、クロロゲン酸、フラボノイドなどが知られています。

研究の成果:アーティチョークエキスがグルタチオン産生を促進させることがわかりました

アーティチョークエキスはメラノサイトのグルタチオンの産生を通常の約2倍に増加させることがわかりました。

<試験方法>
正常ヒト表皮メラノサイトをアーティチョークエキス含有培地で3日間培養した。この細胞抽出液とDTNB (5-5'-dithiobis[2-nitrobenzoic acid])を反応させ、生成される5-チオ-2-ニトロ安息香酸(TNB)量を、412nmの吸光値を経時的に測定し、評価した。細胞の総タンパク量あたりの吸光値の変化率により、細胞内グルタチオン量を算出した。

考察:アーティチョークエキスがグルタチオン産生を促進することから、メラノサイトの老化に伴うシミを予防することが期待されます

アーティチョークエキスは、メラノサイトの老化、加齢によるシミを防ぐ効果が期待されます。今後、この成分を、美白化粧品などの製品開発に応用していく予定です。

<参考>
1. グルタチオン

グルタチオンは、グルタミン酸、システイン、グリシンからなるアミノ酸の一種で人間を含む動植物や微生物の組織内に含まれている物質です。グルタチオンは、生体内で有害物質の解毒、老化防止、過酸化物の産生抑制などを行っていることが知られており、現在多くのサプリメントや基礎化粧品の成分として取り入れられています。

2. グルタチオンの作用機序

メラニンは、紫外線から皮膚を守る防御因子として重要な役割を示す一方、しみ、そばかす、黒ずみの原因となることが知られています。生体内でのメラニンの生成は、血中から供給されたチロシンがチロシナーゼによって酸化されることから始まります。チロシンは酸化されL-DOPAとなり、さらにDOPAキノンへと代謝されます。チロシナーゼはこの2つの反応を触媒する酸素であり、この代謝はメラニン生成における律速反応として働きます。DOPAキノンはその後、自動酸化によりメラニンとなります。チロシナーゼをグルタチオンが阻害することで、メラニンが産生されにくくなります。また、グルタチオンはDOPAキノンに働きかけ、黒色メラニン(ユーメラニン)の生成を抑制し、肌色メラニン(フェオメラニン)の生成を促します。