ショウブ根茎エキスが肌細胞のサーカディアンリズムを整えることを発見

体内時計をつかさどる「時計遺伝子」の発現を整えるスキンケア ショウブ根茎エキスが肌細胞のサーカディアンリズムを整えることを発見 コラーゲン・エラスチンの産生を高めることも確認。肌のリズムを整え、ハリのある美しい肌へ。

2015年8月6日

ロート製薬株式会社(本社:大阪市、社長:吉野俊昭)は、体内時計をつかさどる「時計遺伝子」に関する研究を行い、ショウブ根茎エキスが肌細胞のサーカディアンリズムを整えることを発見しました。また、ショウブ根茎エキスは肌のハリ・弾力に欠かせないエラスチンの産生を高める事を確認しました。さらに、過去にサーカディアンリズムを整える素材として見出した「カンゾウ葉エキス」と組み合わせた「タイムサイエンスコンプレックス」がコラーゲンとエラスチンの産生を高める事も確認しました。老化した肌細胞ではサーカディアンリズムが乱れていることが知られており、リズムを整える素材はアンチエイジング化粧品原料として有用であると考えられます。本結果は日本生薬学会第62回年会(9月11日~12日、岐阜市で開催)において発表します。

研究の背景

当社は研究拠点「ロートリサーチビレッジ京都」において、従来より体内時計をつかさどる「時計遺伝子」と老化の関係に着目し、肌細胞の老化モデルを用いたサーカディアンリズムについての研究を行っています。以前の研究により、老化した肌細胞ではサーカディアンリズムが乱れる事、またカンゾウ葉エキスがリズムを整え、コラーゲン産生を高める事を確認していましたが、今回、新たな素材での効果を確認しました。

「サーカディアンリズム」と「時計遺伝子」について

「サーカディアンリズム」とは、様々な生命現象で見られる一日周期の自律的リズムのことをいい、ほとんどの生物に存在します。このリズムは医療分野にも応用されており、「時計遺伝子」と呼ばれる数種の遺伝子がリズムをつかさどると言われています。最近では皮膚でも「時計遺伝子」がリズムを打つことが分かっています。代表的な時計遺伝子として、日中の発現量が高い「PERIOD」、夜間の発現量が高い「BMAL」があります。

(右図)PERIOD(PER1)の遺伝子発現を細胞試験で確認したもの。老化モデルではPER1が乱れ、正常な「夜」状態になっていません。コラーゲンは夜に多く産生されると言われており、リズムを整えきちんと細胞を夜状態にすることが重要といえます。

研究の成果

結果1:ショウブ根茎エキスが時計遺伝子のリズムを整える

肌細胞の老化モデルにおいて「夜」にあたる時間帯(同調刺激から16時間後)に時計遺伝子PER1の発現を下げる事で時計遺伝子のリズムを整えられると考えられます。スクリーニングの結果、ショウブ根茎エキスが時計遺伝子PER1の発現を下げることを確認しました。

試験方法:線維芽細胞にH2O2処理を加え、細胞老化モデルを作成した。この細胞をデキサメタゾンで1時間処理しリズム同調させた後、通常培地に戻し培養した。4時間後に各素材を添加し、16時間後のPER1(時計遺伝子)のmRNA発現量をqRT-PCRにより定量しコントロールを1として比較した。(n=4、ロート研究所実施)

結果2:ショウブ根茎エキスはエラスチン産生量を増加させる

ショウブ根茎エキスが肌に与える効果を確認したところ、肌弾力に欠かせないエラスチンの産生量を増加させることを確認しました。

試験方法:正常ヒト線維芽細胞にショウブエキスを添加後、72時間培養し、ELISA法にて培養上清中のエラスチン量を測定した. コントロールを1として比較した。(n=4、ロート研究所実施)

結果3:ショウブ根茎エキスとカンゾウ葉エキスを組み合わせた「タイムサイエンスコンプレックス」はコラーゲン及びエラスチンの線維形成を促進する

「ショウブ根茎エキス」に、時計遺伝子のリズムを整える素材「カンゾウ葉エキス」を組み合わせた「タイムサイエンスコンプレックス」がコラーゲン及びエラスチン線維形成に与える効果を確認したところ、「タイムサイエンスコンプレックス」はコラーゲン線維、エラスチン線維の形成を促進することが明らかになりました。

試験方法:正常ヒト線維芽細胞を細胞培養皿へ播種し、素材を加え、適切な培地の元で2週間培養し、線維形成後写真撮影を行った。

考察

以上の結果より、ショウブ根茎エキスがサーカディアンリズムを整えるスキンケア素材として有用であることがわかりました。夜は細胞修復や肌のコラーゲンやエラスチン産生に重要な時間帯と考えられることから、リズムを整えることは肌にとって重要であると考えられます。さらに、同じくリズムを整えるカンゾウ葉エキスと組み合わせた「タイムサイエンスコンプレックス」はサーカディアンリズムに働きかけ、かつ、コラーゲンとエラスチン産生を高めるスキンケア素材として有用であると言えます。本研究結果はアンチエイジングスキンケア製品に応用していきます。

  • 「タイムサイエンスコンプレックス」は、ロート製薬株式会社の使用する商標です。