話題になった「兼業解禁」、その背景にあるロート製薬の社員像に迫る

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2016年3月25日

新CI「NEVER SAY NEVER」とともに発表された新制度「社外チャレンジワーク制度」「社内ダブルジョブ制度」。なぜそのような制度が生まれたのか、その背景とともに、今回は人事総務部の蔵方佑介(くらかたゆうすけ)さんに、ロート製薬が求める「社員像」について伺います。

「一緒に働きたいのは熱意ある人材」新卒採用や人事制度にみるロート製薬の社員像

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▲人事総務部の蔵方佑介(くらかたゆうすけ)さん

−−人事の姿勢は新卒採用にも強く表れます。就活ナビでの採用を止めたこともあるという採用活動には、どのような意図があるのでしょう。

応募者のみなさんの成果だけではなく、その達成のために必要だった動機や価値観、こだわりについて、私たちは一番知りたいと思っています。

たとえば仮に「野球で甲子園に出ました」と言われても、今のところロート製薬にプロの野球チームはない。では、甲子園に出るために自分は何をしたのか、なぜ出たいのか……その動機や熱意が強ければ強いほど、これからも目の前のことを頑張れる人だと思うのです。

常に、「お互いに本音で話すにはどうしたらいいか?」「得意なことも苦手なことも、成功も失敗も語ってもらえる場を作るにはどうすればいいか?」ということを軸に、いろいろな手法を取り入れています。
過去には就活ナビの活用を止め、電話によるエントリー受付を行ったこともあります。それまではエントリー数が3万人超とあまりにも多く、面談に進む人をWebテストなどで一定数まで絞る必要があったのです。学生からすればその成績だけで判断されてしまうのは不本意でしょうし、我々としても過去に熱意を持って打ち込んだこと、そこから得られたことの話を聞き、人となりを見て判断したいと思っていました。結果として、電話によるエントリー方法を採用した初年度の2012年は800人の学生が、いずれも熱意をもって応募してくれました。

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ーー動機や価値観を重視する姿勢は、今回の新制度「社外チャレンジワーク(兼業)制度」や「社内ダブルジョブ(兼務)制度」が生まれた理由にも関係しているように見えますね。

はい。新CIにも込めた思いですが、ロート製薬は社員の意志や成長意欲を尊重し、枠組みにとらわれずに挑戦し続けられる会社でありたいと考えています。そのため、社員全員に「自分が熱心に取り組めると思う仕事」を1年に1回書いてもらう「マイビジョンシート」という制度を取り入れています。
単に希望を書くというよりは、自分の熱量がどこから生まれてくるのかを見定め、困難に打ち勝ってでも頑張れると思うことを申告してもらっているのです。人は自発的に行動を起こすタイミングで成長しますから。

異動の希望も可能ですが、すべてが通るわけではありません。しかし、思いを持って仕事をしていれば、周囲には伝わります。会社は社員がつくっていくものですし、その社員の成長は「仕事」によるところが大きい。「マイビジョンシート」は社員の成長に大きく影響する制度だと思っています。

社内の仕事を兼務する「社内ダブルジョブ制度」では、自分の可能性を一つに決めず他の業務にも取り組むことで個人の中の「多様性」に気づいてほしいという思いがあります。仕事を兼務するということは、今までのように漫然と作業をこなしていたのでは務まりません。制度を活用することで仕事への向き合い方も変わるのではないかと期待しています。
「社外チャレンジワーク(兼業)制度」も同様で、社会課題解決のため、懸命に取り組まれている社外の方と関わることは非常に貴重な経験です。社会に貢献できる知識や技術を身につけ、自分の新しい可能性を見出すきっかけにし、その経験を社内でも活かしてほしいと思っています。

新制度や社内イベントも、常に社員たちの強い思いから生まれる

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ーー今回の新制度が生まれた背景についてもう少し詳しく教えてください。

実は、もともとは社員のアイデアをもとに生まれたものなのです。会社の課題解決のために部門・部署を問わず社員が集まる「ARK(明日のロートを考える)プロジェクト」での発案がきっかけでした。
ロート製薬では社員の自主性を重んじる社風から、ほかにも、他社の経営者やプランナーといった方をお招きし、終業後にお酒を飲みながらカジュアルな形で勉強会を行う「bar ROHTO(バー ロート)」という取り組みがあります。今回新しく立ち上げた「健康経営推進室」も「ARKプロジェクト」をきっかけに発足し、研究や商品開発、情報システムといったまったく別の部門から集まった社員たちの兼務で成り立っています。

ロート製薬は全社員参加のイベントが多く、企画からすべて手作り。これも行動的な社員が多い理由の一つかもしれませんね。各社員が自分の得意な領域で貢献し、作り上げていくのですが、一見仕事とは無関係のように思えることにも熱心に取り組み、行動できるというのはロート社員の特徴ですね。
あまり系統だった研修というのも用意していません。教育環境が整備された中でなら活躍できるという方には向いていない会社かもしれませんが、こうしたイベントや仕事を通じて成長する機会はふんだんにあるので心配はいりませんよ。

これまでもこうして、さまざまな制度や取り組みが生まれてきたように、もし今回の制度が定着しなかったとしても、社員が自らの意志で成長できるような環境づくりは今後も続いていくと思います。

強い意志を持ち、自ら成長意欲をもって取り組む、ロート製薬の社員たち。彼らに「自分たちで会社をつくっていく」という姿勢があり、実行しているからこそ、常に新しくも軸のぶれない制度や採用活動のアイデアが生まれ続けているのです。

文:鈴木梢/プレスラボ

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