大阪大学・医学系研究科とロート製薬が『先進幹細胞治療学共同研究講座』を設置

大阪大学・医学系研究科とロート製薬が、 『先進幹細胞治療学共同研究講座(産学連携・クロスイノベーションイニシアティブ)』を設置 早期の臨床医学への応用による再生医療の実用化に向けて

2016年8月2日

国立大学法人大阪大学(本部:大阪府吹田市、総長:西尾章治郎、以下「大阪大学」)とロート製薬株式会社(本社:大阪市、社長:吉野俊昭、以下「ロート製薬」)は、この度、間葉系幹細胞※1を用いた再生医療の実用化を加速させるため共同研究講座に関する契約を締結しましたのでお知らせいたします。また、本共同研究講座の設置は、2015年11月12日付けで大阪大学医学系研究科・医学部附属病院に設置されました産学連携・クロスイノベーションイニシアティブ※2によるオープン(クロス)イノベーションの推進の一環として行われております。設置期間は、2016年7月から2021年3月までの5年間となります。なお、本共同研究講座で得られた研究成果は、大阪大学医学部附属病院の未来医療センター等、臨床研究の支援・加速機能、更には国家戦略特区や臨床研究中核病院としての機能を活用することにより、早期の臨床応用へと切れ目なくつなげていくことが可能と考えております。

背景

近年、ヒトES細胞(胚性幹細胞)、iPS細胞(人工多能性幹細胞)あるいはヒト成体組織から採取された体性幹細胞を用いた再生医療は、これまで有効な治療方法がなかった難治性疾患に対して新たな医療の提供が期待できることから、世界中で研究開発が行われております。しかし、「どの疾患が再生医療の対象になるのか」、「どのような細胞であれば再現性のある効果が期待できるのか」、「どのように細胞を投与すると期待される効果が得られるのか」など、様々な検討事項が山積しております。

研究内容

体性幹細胞の一つと考えられる間葉系幹細胞※1には多くの機能があり、様々な疾患に対して有効であることが推定されていますが、実際に効果があるか否かは、動物モデル、さらには、臨床医学により確認する必要があります。特に、再生医療においては、安全性が確保できるならば臨床での効果検討を行う必要があるとの見解が示されています。一方、細胞を有効成分とした医薬品(再生医療等製品)を産業化する場合、挙動が不安定な細胞に対して確実性を担保できるよう細胞の製造方法やその規格を定める必要があります。そこで、本講座では、ロート製薬の保有する細胞の製造技術と大阪大学の保有する重症心不全を中心とした様々な疾患に対する知見を組み合わせて、間葉系幹細胞※1を疾患に合わせて製剤化する研究と動物モデルでの安全性と有効性の確認を行うことを目的としています。こうした研究を進めることにより、再生医療を従来の医薬品のように提供するための基盤技術を確立し、研究成果の切れ目ない臨床応用を推進します。また、本講座での研究は、医学部のみならず組織横断による大阪大学の総力とロート製薬の知並びに関係研究機関の総力を結集した研究推進を図るため、産学連携・クロスイノベーションイニシアティブ※2の構想の下で、オープンイノベーションとして推進していくことを目指しております。

※1:間葉系幹細胞とは、特定の刺激により、間葉系組織(骨、筋肉、軟骨、脂肪など)の実質細胞(骨細胞、筋細胞、軟骨細胞、脂肪細胞など)への分化能をもつとされる細胞である。また、細胞分裂を促進する成長因子などを放出する機能も有する。これらの性能を利用して再生医療への応用が期待されている。
※2:大阪大学医学系研究科および大阪大学医学部附属病院に設置された産学連携・クロスイノベーションイニシアティブとは、健康医療分野において、大学の総力を組織横断的に結集して研究推進・人材育成に取り組もうとするものであり、本イニシアティブが主体となり多様な先進企業・組織との包括的な連携の深化、組織・分野を越えたクロスイノベーションの実現、企業サイドの健康・医療分野の取組の強化など、相互の発展を組織的かつ強力に推進するもの。

設置場所

大阪大学大学院医学系研究科 最先端医療イノベーションセンター棟
住所:〒565-0871吹田市山田丘2-2
設置講座名:先進幹細胞治療学共同研究講座(産学連携・クロスイノベーションイニシアティブ)
設置時期:2016年7月1日

本講座の期間

2016年7月1日~2021年3月31日