国ごとに異なるお客様のニーズに
Allロートグループで応えていきたい
Keywords: 現地に根づく, グループ間連携
「日本だけではなく、世界中にWell-beingを届けたい」という想いのもと、ロート製薬は世界110カ国以上の国や地域に製品をお届けしています。
しかし、ただ日本で高品質なものを作って輸出するだけでは、手に取ってもらえません。国ごとに異なる薬事規制をクリアし、生活習慣や文化を学び、現地のニーズに寄り添った提案が大切です。そしてより生活者に近い現地スタッフが、各国で生まれる新しい技術を取り入れながら、率先して自国で必要とされる製品づくりに取り組む。こうした姿勢が、よりよい製品を素早く世界中に届けることにつながっていくと考えます。
高橋 京子 -国際事業部
各国で異なる状況を見つめながら
製品をお届けしていく
世界110カ国以上ということは、世界の半分以上の国でロート製薬の製品を使っていただいていることになります。その土台になったのは、1988年に米国・メンソレータム社を買収したことでした。メンソレータム社の持つネットワークを活用しただけでなく、ロート製薬のメンバーが日本から各国に赴きながら、その国々での文化や課題を学び市場を作る準備をしていきました。
外用剤を中心にお客様の健康を支えてきたメンソレータム社。お客様や社会を見つめながら胃腸薬や目薬をはじめとする製品をお届けしてきたロート製薬。この2社が交わったことで、「各国で異なる状況を見つめながら、製品をお届けしていく」という現在も変わらない、グローバル事業における考え方の基礎ができあがります。
そして1996年にはインドネシアに合弁会社PT・ロート・ラボラトリーズを設立。1997年にはロート・メンソレータム・ベトナムを設立し、東南アジアでの活動拠点が増えたことで、ロート製薬の製品が世界へお届けできるスピードが加速していきました。
課題解決のために必要な
製品、知識、労働力が国の文化も創る
110年以上、目の研究や目薬などの開発を行ってきた私たちロート製薬にとっては、「世界中の人の目の健康を支えたい」という強い想いがあります。日本では多くの人が「目薬をさす」経験がありますが、海外では「眼病になったらさすもの」「そもそも目薬をささない」など、国によって異なります。ですから、製品を届ける前に、日々の「アイケアの大切さ」をまず知ってもらいたい。こうした想いの下、各国の状況やニーズに応じて、国ごとに異なる成分基準を満たした製品を販売すると同時に、現地の医師や行政、小売の方などと協力しながら、目の健康、目薬の大切さを伝える啓発活動も行ってきました。
白内障のサポートにおいても同様です。日本では手術治療の進歩もあり、白内障によって失明に至る人は非常に少なくなっています。しかし、発展途上国では貧困や医師不足、医療設備不足などから、世界では失明原因の第1位が白内障です。
ロート製薬では、1996年にASEAN地域として初めてインドネシアで白内障手術用の眼内レンズ(IOL)の製造販売をスタートしました。当時のインドネシアでは白内障患者数が多いにも関わらず、手術ができる医師不足などが課題でしたが、現地の病院や医師に対して技術支援などをしながら、眼内レンズの導入に努めました。現在では白内障用眼内レンズを多くの国で展開し、国によっては、眼科医と共同で無償提供も実施するなど、各国での「見える」をサポートしています。
製品のアイデンティティはそのままに
日本と各国の相互作用を
2000年代以降は、日本でのスキンケア事業の拡がりにあわせ、海外でもスキンケア製品の展開が拡がっていきました。なかでも日本でもおなじみの「肌ラボ」は、現在40か国以上の方々にまで親しまれています。ヒアルロン酸を配合した保湿力へのこだわりが「肌ラボ」の特徴ですが、例えば湿度の高い国ではベタつきすぎてしまうといったこともあります。「肌ラボ」ブランドの魅力はブラさずに、各国で異なる気候やスキンケアの習慣にあわせながら、処方を国ごとにカスタマイズしていく。一見非効率と思われがちですが、こうした努力の積み重ねこそが、世界で支持されるブランドへの成長につながっているのだと思います。
逆に、他国での手応えを日本市場に取り入れた例もあります。50種類の養潤成分を配合したスキンケアを中心とするエイジングケアブランド「50の恵」は、香港ではヘアケアブランドとして人気を誇っており、なかでも2021年に発売をした製品「50の恵 黒髪アクティブエッセンス」はヘアケア市場にてシェアNo.1を獲得
※1。ヘアケア意識が非常に高い香港女性から高い支持を得ています。この製品は、香港にあるグループ会社が「50の恵」のブランドアイデンティティはそのままに独自開発したもの。日本でも同様に、年齢を重ねることによる髪や頭皮の変化に対して、ヘアケア
※2を行いたいと考える方も多くいらっしゃるため、2022年にこの製品の処方を日本にアレンジして発売しました。
※1.Nielsen ScanTrack Data (Total KA) MAT Sep 2020-2021 (2019 Oct – 2021 Sep)
※2. 年齢に応じた髪・頭皮のうるおいケアのこと
このようにロート製薬のグローバルにおけるものづくりは、日本で開発したものを現地で売るという形にとどまりません。
製品やブランドが持つ大切な部分は確実に受け継ぎながら、国ごとに研究開発から販売まで一気通貫した自前のモノづくりや人財育成を展開すること。日本が他国を管理するかたちではなく、各国互いに尊重し合い、対等な関係を築くこと。日本の技術や考えにこだわらず、各国の技術や考えを相互に取り入れながらものづくりをしていくこと。それこそが、世界の皆さんに美と健康をお届けするためのロート製薬ならではのアプローチだと言えるでしょう。
国境を越えて
お客様一人ひとりを思う心を一つに
さらに多くの方のWell-beingに貢献していくために。ロート製薬では、本国である日本とグループ各国という関係性を取り払い、連携を密にするべくさまざまな取り組みを行っています。年2回実施している「ワールドワイドミーティング」もその一つ。各国のメンバーが直近の取り組みや今後の展望を共有し合う場は、各国のアイデンティティを共有しあい、ロートグループとしての一体感を醸成していく場になっています。また研究分野においても、各国の研究者らが互いの研究成果や新製品を紹介し議論するグローバル会議の場を設けたり、留学のような形でロートリサーチビレッジ京都や本社研究所に集い、研究分野における学びを深めて自国に持ち帰る取り組みも行っています。
医薬品でもスキンケア化粧品でも、各国の習慣やニーズ、生活者の声はさまざまですが、こうして世界各国の情報を共有しあい、自国のフィールドで活かしていく姿勢が、今後のロート製薬にとって非常に重要だと考えます。それはつまり、国境を越えたひとつのチームとして、世界中にいるお客様一人ひとりと向き合うこと。世界を見渡すと、ロート製薬の製品をお届けできていない国や地域はまだまだあります。日本での事業領域も広がるなかで、取り組む分野の幅、国はまだまだ広げていくことができる、と信じています。社内での動きも活発にしながら、そこで生まれたものをいち早く世界の人にお届けしていきたい。今後もAllロートグループで、世界中の方のWell-Being向上のために取り組んでいきます。
企業は何のためにあるのだろうか?
希望ある未来につなげるために、ロート製薬が目指す企業の姿とは? 代表取締役会長の山田邦雄が想いを語ります。
Keywords:社会の公器, 未来の社会
「想い」が品質につながるから 人と技術が融合した「進化する工場」をつくりたい
高品質な製品を多くの人に届けるために、ロート製薬が目指す製品づくりの現場とは?
Keywords:スマート工場, 人と技術の融合
社員の健康から社会の健康へ
一人ひとりの小さな取り組みをつなげていきたい
一人ひとりが自らの健康を考え、習慣化する「きっかけづくり」がロート製薬の健康経営のキーワード。その数々の取り組みをご紹介します。
Keywords:健康人財, きっかけづくり