Open

企業は何のために
あるのだろうか?

Keywords:社会の公器, 未来の社会

  • facebook
  • twitter
  • LINE

日本人の平均寿命・健康寿命が伸び、ヘルスケアに対する意識も大きく高まった一方で、それが必ずしも人々の「しあわせ」につながっているとは言い切れない現代。そんな社会のなかで、企業はなぜ存在するのでしょうか。またそこでどんな価値を発揮していくことが必要なのでしょうか。ロート製薬が目指す企業の姿とは。そしてロート製薬が目指す「Well-being」とは。その鍵は個人の力をつなぎあわせることにあります。


山田 邦雄 -代表取締役会長

数々のチャレンジは
社会の課題解決のためにある

私たちロート製薬は、社会課題解決のためのチャレンジを通じて、企業が持続的に社会に貢献し続けることができると捉えています。

ロート製薬の始まりは、明治維新後までさかのぼります。食習慣の変化から胃病で早くに亡くなる方が非常に多かった当時。私の曾祖父である山田安民は「万病の元は胃にある」として胃腸薬「胃活」を発売したのが創業のきっかけでした。その10年後には眼病「トラホーム」の流行により、失明の危機にある国民を救いたいとの想いで「ロート目薬」を発売。その後、社会やお客様の生活に寄り添いながら、今ではスキンケア領域を含めたヘルス&ビューティー事業だけでなく食事業、再生医療など、多岐にわたって事業を展開してきました。歴史的に見れば、社会課題の解決は企業成長を促す好機です。あらゆる産業は、社会的課題を克服するために生まれ、従来の仕組みに取って替わることで発展してきました。

しかし社会課題は、引き続き私たちの周りに山積しています。個人レベルでは、ボランティアや寄附など社会貢献活動の気運は高まりありつつありますし、NPOへの就職やスタートアップ起業などを通じて、社会課題と向きあう志ある若い方も増えてきています。では企業はどうか、というと残念ながら周回遅れ。社会課題の解決と収益を両立させることが真の企業活動であるはずですが、実現できている企業はまだ少ないと思います。

ロート製薬ではグループ会社「農業生産法人・有限会社やえやまファーム」とともに
循環型農業の取り組みを模索している

企業は一人ひとりが輝き、
志を同じくした共同体

今、私たちが進めている各事業の多くは、未来への種まきです。食、くらし、地域の活性化、次世代の育成とさまざまな角度から社会課題を解決し、さらに蓄積したノウハウを活かして、海外でも貢献していければとイメージしています。こうすればうまくいく、などの明確な答えがあるわけではないため、3歩進んでは2歩下がってと、試行錯誤を続ける日々です。ただ一つ言えるのは、この未来への種まきは、社員一人ひとりの意思から生まれるチャレンジが根源にあること。社員の志を社内外へと「つなぐ」ことによってロート製薬の未来がつくられるということです。

例えばヘルス&ビューティー事業に進出した際には、従来の製品にはない価値を提供したいと熱く訴える社員がいましたし、再生医療事業の推進においても、これまで治らなかった病気を治したいと研究に励む社員がいます。それは国内だけでなく、世界を見渡しても同様です。

社員がいきいきと働き、自分の仕事を通じて、社会がいい方向へ進んでいるという実感を得られる企業であれば、きっと希望ある未来に「つながる」と信じています。

その背景には、豊かで便利さにあふれているはずの日本でも、各種の国際的な調査結果にも表れている通り、国民の幸福度の低さが指摘されていることがあります。これからの時代を担う若者の意識も、諸外国と比較して自己を肯定的に捉える割合が少なく、将来に明るい希望を持っていない傾向にあるとされます。その一方で、スポーツや芸術界などでは世界に「個の力」を印象付ける日本人の活躍が目立ちます。日本には世界で存在感を発揮できる個人の力は十分そろっているわけですから、企業にはそれを伸ばす、生かすための「仕組み」が必要ではないでしょうか。

右肩上がりの成長期にあった昭和の頃は、貧しくとも、この先に明るい未来が待っているという実感がありました。企業と社員はさながら「家族」のような関係性を築き、何よりも人を重視し、人材の育成に多大なエネルギーを注ぎ込んでいたと思います。しかし近年は、効率性や生産性が必要以上に優先されるようになっています。未来への希望を持って昭和を歩んできた人たちも、一定の地位を得て安定すると情熱は消え、若い層からは古い価値観だと敬遠されてしまう。そんな世代間の分断も、ますます深まっているように見えます。世界の中で、日本企業の社員エンゲージメントが最低水準にあるのも当然かもしれません。

次世代のための未来につなぐ、
企業としての使命

さらに企業としての活動を通じて、若者たちが自らの道を自身で切り拓ける社会にしたいという願いもあります。希望を抱いて前向きに進める未来へと「つなぐ」こともまたロート製薬の使命です。これまでもさまざまな活動を行ってきましたが、今後もその想いは変わらず実施していきます。

今回のお話を通じて、一人でも多くの方にロート製薬の理念に共感いただけたら、と思いますし、そんな皆さんと一緒に形は問わずWell-beingな世界を共に目指していきたいです。

RECOMMEND

「想い」が品質につながるから 人と技術が融合した「進化する工場」をつくりたい

高品質な製品を多くの人に届けるために、ロート製薬が目指す製品づくりの現場とは?

Keywords:スマート工場, 人と技術の融合

社員の健康から社会の健康へ
一人ひとりの小さな取り組みをつなげていきたい

一人ひとりが自らの健康を考え、習慣化する「きっかけづくり」がロート製薬の健康経営のキーワード。その数々の取り組みをご紹介します。

Keywords:健康人財, きっかけづくり

国ごとに異なるお客様のニーズにAllロートグループで応えていきたい

世界中に貢献するために、一人ひとりが各国に寄り添い取り組んでいます。

Keywords:現地に根づく, グループ間連携