健康長寿で知られる沖縄から、お客様に健やかな「食」を届けたい

2018年9月21日

「薬に頼らない製薬会社になりたい」
その想いから、身体の源をつくる「食」から健康を支えたいと考え、「食」事業に挑戦しています。すでに奈良県での農業(はじまり屋)などもご紹介していますが、実は、沖縄県でも2013年から畜産や農業を取り組んでいます。

循環型農業を沖縄県で

日本の最南端・沖縄県。自然豊かなこの土地で、ロート製薬は循環型農業と加工事業を行なっています。
循環型農業とは、「豚などの家畜の糞尿から堆肥を作り、その堆肥で果物を育て、それをまた飼料にして豚を育てる手法」のこと。離島だからこそ限りある資源を大切に有効活用することも大切にしています。

ここではパイナップルを化学肥料や化学農薬を一切使わず、自然の恵みたっぷりに育てており、沖縄県でも唯一の有機のパイナップル栽培場と言われています。完全に手作業で害虫などの駆除を行なうため、大変な作業も増えますが、その分お客様に安心して召し上がってもらえるように日々努力を重ねています。
加えて、このパイナップルを原料とする発酵飼料を食べて育った豚「南ぬ豚(南国の豚を意味)」。南ぬ豚は一般の豚肉よりも旨味が感じられ、肉質が軟らかくジューシーです。

長寿村・大宜味村の健康を支える果実・シークヮーサー

沖縄での「食」への挑戦は悪戦苦闘の繰り返しですが、その中で発見することも珍しくありません。

その一つがシークヮーサー。
シークヮーサーは、沖縄県北部(やんばる)で昔から親しまれてきた柑橘類の一つ。その特産地である沖縄県大宜味村は、長寿日本一を宣言した村。人口3,110人中90歳以上が167人、100歳以上が13人もいらっしゃいます(2018年3月31日時点)。長寿村の健康を担う食の一つが、昔から地元で採れるシークヮーサーでした。

地元では、焼き魚にかけたり泡盛に入れたりと、普段の食生活にシークヮーサーをよく取り入れられています。

ロート製薬は、この大宜味村にシークヮーサーの加工工場を造り、ジュースの加工販売をしています。さらにこの健康果実をもっと活かしたいと考え、ジュースの搾りかすに着目。その過程で果汁よりもシトラスプラボノイド「ノビレチン」が多く含まれていることを知り、ノビレチンに特化して研究も深めています。

今回はこれらの研究を行った研究員に話を聞きました。

-シークヮーサーの魅力は何ですか?
大宜味村に住むご長寿たちの毎日の食に根付いている点です。沖縄県はもともと健康長寿で知られていますが、シークヮーサーの特産地である大宜味村では、多くの方が100歳を超えても、元気に生活をされている。その鍵となるものの一つがシークヮーサーやその成分ノビレチンと考えています。ノビレチンは柑橘類に特有の成分ですが、シークヮーサーへの含有量が多いと言われ、温州ミカンの20倍、カボスの50倍と群を抜いています*1。大宜味村のご長寿たちが毎日食べていらっしゃるシークヮーサーに、こんな秘密があったことに驚いています。

-研究の中で面白かったことは何ですか?
ノビレチンの良さをさらに活かすために、研究を重ねた結果、長寿村大宜味村の方々が、日々の食生活がヒントとなりました。ご長寿が摂取している組合せ(焼き魚にシークヮーサーを絞って食べる)から、ノビレチンと必須脂肪酸「DHA」を同時に摂取できるように考えました。ご長寿の知恵が毎日の食生活に根付いていることは本当に興味深いです。

-実際に商品にしたいと思った時に大変だったことはありますか?
ノビレチンは多く含まれるシークヮーサーでもごくわずかです。青果物には旬があるので、1年を通して摂取するのは難しい成分と言えます。そこで、ノビレチンの精製に着手しました。収穫時期などによって成分の含有量にばらつきがある青果物を原料にしながらも、品質面での安定性を2年かけて確立しました。

-これから考えている展望を教えてください。
このノビレチンをDHAと一緒に手軽に摂取するための方法として、サプリメントの形にたどり着き、「ノビリンクEX」を発売しました。今年7月に「ノビリンクEX」は日本の健康食品が集うウェルネスフードジャパンアワードのアンチエイジング部門で、銀賞に選出されました。
沖縄の健康食材から見出したシークヮーサーやノビレチンの取り組みはまだまだ小さな一歩ですが、より多くの方々に健康をお届けできるように、研究開発に取り組んでいきたいです。

私たちの身体は食べたものでできている

そんな想いで取り組む一つの中で、少しでも無駄のない形で皆さんにお届けしていきたい。その土地にこれまでも存在していたけれども、まだ知られていない食の宝を社会の元気に活かしたい。
これからも地域に息づく素材の可能性を探索し続け、お客様へ健康をお届けするために様々な工夫を行っていきます。


*1 Y. Nogata, et al. Biosci. Biotechnol. Biochem., 2006;70(1):178-192.

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