入社3年目にはロート製薬の主力工場でもある上野テクノセンター(三重県伊賀市)の施設管理グループに異動になり、プラントエンジニアとしての仕事が始まりました。
「ここでの仕事やチャレンジも幅広く、日々勉強しながら新しいチャンレンジを続けてきました。実際に来週一週間は外部講習を受けてきます。もちろん現場で先輩たちにOJTで教えていただくこともあるのですが、基礎となる知識は外部講習で学び、実際に現場で活かしてみることもよくあります。」
プラントエンジニアの仕事は主に保全業務と営繕工事業務の2つに分かれます。保全業務では電気、空調、圧縮空気設備、製薬用水設備など生産に必要不可欠な設備のメンテナンスや製造環境の維持が中心。営繕工事業務では医薬品や化粧品を生産するための環境整備に関わる設備導入や改善が中心になります。
医薬品等の製造にはGMPといわれる製造管理や品質管理のために守るべき法令があります。法律に定められた環境を維持するために、設備全体をどのように構成すればいいのかを考えていく。ここにプラントエンジニアの仕事の面白味があるとずっくんは教えてくれました。
「機械一つ一つは技術的に出来ることに制約があります。一方で品質面では守らなければいけないことが決まっている。では、どうやって実現していくのかを考え、品質部門と協議しながら進めていきます。このすり合わせを実現するプロセスがエンジニアの腕の見せ所ですね。」
実際に設備導入は一筋縄ではいかないことも多いそう。技術的な制約を超えるための設備を導入できるように、現状の設備で何が達成できていないのかを整理し、取引先となる機械メーカーや施工業者と対話し、仕様を一緒に描いていくこともあるそう。また、設備導入後も、期待通りの役割をきちんと果たしているのか、バリデーションと呼ばれる科学的根拠や妥当性があるのかの検証作業も待っています。データをきちんと取り、記録や報告書に残し、実際に適切に運用できるようなSOPといわれる作業標準書に落とし込むなど、関連部署と一緒に品質の基盤をつくっていきます。
「もちろん最初の頃は品質の知識なんて全くありませんでした。毎日の保全業務を通じて何を大事にするべきかを確認しながら学んでいきました。近年では査察対応にも携わるようになり、国内外の機関からの査察に対応できるように、設備面だけでなく、GMPの知識も吸収し続けながら仕事をしています。」