ロート製薬の培地は、Animal Origin Free(AOF)の無血清培地

細胞培養に用いられる培地は、大きく血清培地と無血清培地の二つに分類されます。

無血清培地の中にはXeno-Free培地という異種動物由来の成分を含まない培地もありますが、ロート製薬の培地は動物・ヒト由来成分を含まないことを確認しているAnimal Origin Free(AOF)の無血清培地です。

動物の定義は動物界とする(脊椎動物、無脊椎動物を含み、原生生物は不含)

動物・ヒト由来成分を含まない培地(AOF培地)

ロート製薬が “AOF培地” に着手した理由

ロート製薬の開発の中で生まれたこの技術を、もっと多くの方々へ

ロート製薬は2013年に再生医療に本格参入し、大学と連携しながら肝硬変や重症心不全等の治験を行っております。

治験を開始するには、患者様の安全性を確保するため、細胞培養に使用する培地についても様々な規制をクリアする必要があります。私たちは患者様の安全性を追求した結果、動物・ヒト由来原料を使用しない“AOF培地”の開発にたどり着きました。

私たちロート製薬は再生医療を開発する中で生まれたこの技術をもっと多くの方にご利用いただきたいと願っております。

血清培地と無血清培地の違い

血清培地とは

血清とは、動物やヒトの血液から取り出した成分のことです。

一般的には細胞を培養する際には、細胞の維持・増殖を促進するウシ由来やヒト由来の血清を培地に添加したものが使用されています。これらの培地を血清培地と呼んでいます。

血清培地の精製

無血清培地とは

無血清培地とは、細胞培養時に血清を用いない培地を意味します。

血清を用いず、特定のたんぱく質や成分を添加することで細胞の維持・増殖を可能にします。血清等に起因する成分のばらつきが低減できるためロット間の性能差が生じにくく、また、血清等に起因する病原体感染、免疫原性等のリスクを低減できるのも特徴です。成分や由来の違いによっていくつかに分類されます。

無血清培地のメリット

製品紹介

  • R:STEM®

    間葉系幹細胞培養用AOF培地
    R:STEM® 商品名:R:STEM Medium for hMSC High Growth(Ref. No. EM1-500)

  • StemNavi™

    エクソソーム/細胞外小胞(EVs)産生用AOF培地
    StemNavi™ 商品名:hMSC expansion AOF w/o Phenol Red(RS1-500)

5つの「低減」

  1. 血清等に起因するウィルス等のリスクを低減

  2. 培地由来EVsによる細胞の性質変化のリスクを低減

  3. 抗生物質由来の細胞毒性リスクを低減

  4. ロットチェックの手間を低減

  5. サプリメントの添加等、前処理の手間を低減

(EVs:細胞外小胞)

製造に際する各工程の品質の徹底管理

  1. ロート製薬の無菌製剤の製造技術

  2. 医薬品製造に準じた製造管理

  3. 生物由来原料基準に適合 (再生医療等製品材料適格性確認書を取得)※1

  4. ISO 20399を適用規格とするFIRMマーク認証取得※2

R:STEM Medium for hMSC High Growth

R:STEM Medium for hMSC High GrowthはFIRMマーク認証(認証番号:CAM-0001)を2024年5月17日に第1号取得。
https://firm-mark.com/services/
また、hMSC expansion AOF w/o Phenol Redは、FIRMマーク認証(認証番号:CAM-0002)を2025年5月23日に取得しました。