高濃度L-アスコルビン酸(ビタミンC)溶解・安定化技術を開発。ビタミンC 25%の溶解・安定化に成功

【ロート製薬のビタミンC研究15年の研究成果】 高濃度L-アスコルビン酸(ビタミンC)溶解・安定化技術を開発 ビタミンC 25%の溶解・安定化に成功

2019年2月21日

ロート製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役会長兼社長:山田邦雄)は、高濃度L-アスコルビン酸溶解に関する研究を行い、高濃度(25%)L-アスコルビン酸の溶解および安定化技術の開発に成功しました。L-アスコルビン酸は美白効果や抗酸化効果が高く、その効果は濃度依存的に高まることが知られています※1。一方、L-アスコルビン酸は熱や光に弱く不安定なため高濃度で安定溶解することが課題でした。当社は15年間もの歳月を経て、高濃度溶解する基剤としてポリエチレングリコールを、更にL-アスコルビン酸の結晶化抑制成分として3-O-エチルアスコルビン酸を見出し、これらの組み合わせにより長期間安定な25% L-アスコルビン酸の溶解に成功しました。本技術については、日本においてすでに特許を取得しております(特許第6352560号)。また、本研究成果は2019 AAD Annual Meeting(米国皮膚科学会、2019年3月1日~5日、ワシントンD.C.で開催)にて学会発表いたします。

研究の背景

L-アスコルビン酸は美白作用や抗酸化効果等広い効果が知られている成分で、その効果は濃度依存的に高まる事が知られています(※1、グラフ参照)。一方で光・熱・空気に弱いため高濃度での安定配合が難しい事が課題でした。安定配合のためには誘導体を使用することが一般的ですが、当社は最大限の効果を発揮させることを目的にL-アスコルビン酸そのもの(ピュアビタミンC)を高濃度かつ安定配合する技術に挑戦してまいりました。2004年には「ベタイン」を用いて20%もの高濃度配合に成功。更に高濃度となる25%L-アスコルビン酸の溶解・安定化技術に関する挑戦がすぐに始まりましたが困難を極め、15年もの間研究を重ねてきました。

※1:L-アスコルビン酸の抗酸化力をDPPHラジカルを用いて吸光度測定により評価(ロート研究所実施)

L-アスコルビン酸(ビタミンC)について

L-アスコルビン酸(ビタミンC)は、水に溶ける水溶性ビタミンの一つです。体内のコラーゲンを作ることに欠かせない成分であり、抗炎症効果、老化防止効果、抗酸化効果といった各種の効果を発揮することが知られています。くだもの(かんきつ類やイチゴ)や野菜等に多く含まれています。なお、人間は体内でビタミンCを作ることができず、外部から摂取する必要があります。

高濃度L-アスコルビン酸(ビタミンC)配合の課題とアプローチ

25%のL-アスコルビン酸を水に溶かすための溶液温度は40℃以上と言われており、一旦溶けても冷却後に結晶が析出するという問題があります。これらの課題を解決するために以下の2つのアプローチを行いました。

  1. L-アスコルビン酸の可溶化を促進する成分の探索
  2. L-アスコルビン酸の結晶化を抑制する成分の探索

研究の結果

L-アスコルビン酸の可溶化を促す最適な溶媒としてポリエチレングリコールを見出した。

ハンセン溶解度パラメータ・ソフトウェアを使用して最適な溶媒を探索し、ポリエチレングリコールがL-アスコルビン酸の可溶化溶媒として最適であることを見出しました。

試験方法:ソフトウェアを用いてHansen空間におけるL-アスコルビン酸と各溶媒とのHSP距離(Ra)を算出し、L-アスコルビン酸に近いHSP距離を有する最適な可溶化溶媒を選定した。

3-O-エチルアスコルビン酸がL-アスコルビン酸の結晶化を効果的に阻害する。

結晶化を阻害する成分の探索を行うため試験溶液に種結晶を加え、その成長と新たな核形成の有無を確認しました。結果、3-O-エチルアスコルビン酸は種結晶の成長を抑え新たな核形成を効果的に阻害することが分かりました。

試験方法:各種の成分をL-アスコルビン酸およびポリエチレングリコールをベースとした溶液試料に添加、冷却し過飽和状態にした。8日後、試験溶液に種結晶を加え、種結晶の成長と新しい核形成の有無を確認した。

今後の展望

今回の研究により高濃度L-アスコルビン酸の溶解・安定化に成功しました。今後、ビタミンCの配合製剤安定化や効果等更なる研究を続けてまいります。