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ロート製薬 目周りのたるみにアプローチするエキスを発見

研究開発

~加齢により変化する目周りの悩みに関する研究~ ロート製薬 目周りのたるみにアプローチするエキスを発見 「眼輪筋」をはじめとする筋肉の生成促進及び分解を抑制し、筋細胞を強化することを確認

2019年6月26日

ロート製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役会長兼社長:山田邦雄)は、加齢により変化する目周りの悩みの中でも特にまぶたや目の下のたるみに着目して研究を行い、アイ葉/茎エキス及びキハダ樹皮エキスから成るコンプレックスが目周りを支える「眼輪筋」※1をはじめとする筋肉の骨格筋増殖抑制因子Myostatin※2の産生を抑制し、筋委縮因子Atrogin-1※3の産生を抑制することを発見しました。また、それら成分により、筋細胞を太く強化することを確認しました(特許出願済)。
本研究成果は、今後の製品開発に応用していく予定です。

<調査報告>目周りの悩みが40代以降で増える事実と加齢による目元印象の変化

今回、10代~60代の女性を対象に肌及び目周りの悩みに関する調査※4を実施しました。その結果、目周りの悩みは特に40代になると急に増えること、またその悩みも変化していくことが明らかとなりました。
目周りに悩みのある方々の年代別分布を確認したところ、特に40代以降で「まぶたのたるみ」「目の下のたるみ」の悩みを持つ方の割合が増加する結果となりました。実際、目周りがたるむと目もとの印象は大きく変わることが知られています。

研究成果のポイント

  • アイ葉/茎エキス及びキハダ樹皮エキスから成るコンプレックスが骨格筋増殖抑制因子Myostatinの産生を抑制することを確認した
    ⇒「眼輪筋」をはじめとする筋肉の生成を促進するコンプレックスを発見
  • アイ葉/茎エキス及びキハダ樹皮エキスから成るコンプレックスが筋委縮因子Atrogin-1の産生を抑制することを確認した
    ⇒「眼輪筋」をはじめとする筋肉の分解促進を抑制するコンプレックスを発見
  • アイ葉/茎エキス及びキハダ樹皮エキスから成るコンプレックスが筋細胞を太く強化することを確認した

研究の背景

当社が1909年に目薬を発売してから1世紀にわたり取り組んできた目に関する研究は、目の健康を支えるとともに、目もとの美容をはじめとするスキンケア研究にも活かされています。その中で、今回は目周りにある「眼輪筋」をはじめとする筋肉に着目しました。筋肉量は加齢に伴い減少することが報告されていますが、顔の筋肉においても筋肉量が減り、たるみやハリがなくなると言われているため、加齢にともなって萎縮する筋肉を改善することができないかと考え、研究に着手しました。

結果

アイ葉/茎エキス及びキハダ樹皮エキスをから成るコンプレックスにおける骨格筋増殖抑制因子Myostatinの産生抑制効果

試験方法:ヒト由来骨格筋細胞を用い、増殖培地にて培養し、被験物質としてアイ葉/茎エキス及びキハダ樹皮エキス含有の分化培地を添加した。ELISA法を用いて培養上清中のMyostatin量を測定した。
Student's t-test, ***p <0.001 vs.control, n =3,mean ± SD、ロート研究所実施

アイ葉/茎エキス及びキハダ樹皮エキスからなるコンプレックスにおける筋委縮因子Atrogin-1の産生抑制効果

試験方法:ヒト由来骨格筋細胞を用い、増殖培地にて培養し、被験物質としてアイ葉/茎エキス及びキハダ樹皮エキス含有の分化培地を添加した。細胞を回収し、Atrogin-1遺伝子発現をqPCRにて測定した。
Student's t-test, *p <0.05 vs. control, n =3,mean ± SD、ロート研究所実施

アイ葉/茎エキス及びキハダ樹皮エキスから成るコンプレックスの筋細胞への効果

試験方法:ヒト由来骨格筋細胞を用い、増殖培地にて培養し、被験物質としてアイ葉/茎エキス及びキハダ樹皮エキス含有の分化培地を添加した。筋細胞の分化マーカーであるミオシン重鎖抗体(myosin heavychain:MHC)を用いて染色し、MHC陽性細胞の直径を測定した。

考察

今回の結果より、アイ葉/茎エキス及びキハダ樹皮エキスから成るコンプレックスが、筋肉の増殖抑制因子を抑制し、筋の分解を抑制することが明らかとなりました。さらに、加齢による筋委縮モデルにおいても、その状態を改善することが明らかとなりました。つまり、本コンプレックスが、「眼輪筋」をはじめとする筋肉の生成を促進し、筋肉の分解を抑制することが示されました。さらに、画像解析によりMHC陽性細胞の直径を測定し、筋細胞を太く強化することを確認できました。
以上のことから本研究成果は、加齢により変化する目周りの悩みの中でも特に「まぶたのたるみ」「目の下のたるみ」などに対して有効なアプローチができる可能性が示唆されます。

■用語解説・注釈
※1 眼輪筋:まぶたの開閉や涙の量の調節を行う、目のまわりを覆っている筋肉
※2 Myostatin(骨格筋増殖抑制因子):抑制されると骨格筋の生成が促進される
※3 Atrogin-1(筋委縮因子):抑制されると筋の分解が抑制される
※4 2019年3月調査実施、n=273、ロート調べ