最新「男性妊活」の実態!
妊活スタイルに新たな兆し
ロート製薬『妊活白書2020』男性妊活編
2021年2月15日
ロート製薬株式会社(本社:大阪市、社長:杉本 雅史)は、「妊活」に対する知識・理解の普及を目的として、2018年から「妊活」に対する意識調査を行っています。2020年は、全国の18~44才の男女を対象として、「妊活」の実態ならびに、新型コロナウイルスの影響による意識や行動の変化もあわせて調査し、その結果を2月1日に『妊活白書2020』として公開いたしました。
本ニュースレターでは、男性の妊活の実態にフォーカスした「妊活白書2020」男性妊活編を、大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学教室 木村教授のアドバイスとともにご紹介します。
男性の妊活意識が大幅にアップ!
子どもを望む男女の中で、「ふたり妊活」に取り組む方が増えています。特に男性の増加が顕著で、比較的妊活に消極的だった男性が、妊活の意識を高めていることがわかります。
男性が感じている「妊活」についてのイメージも、「つらい」「大変」というイメージが減りました。より前向きに妊活を捉えだしているようです。
男性にとっての「妊活」とは?
妊活意識を高くもつ「ふたり妊活できている」男性は、夫婦で家族設計についてきちんと話し合ったり、身体を整えたり、排卵日にあわせて夫婦生活を行うなど、女性と協力して、積極的に妊活を進めていることがわかります。
既婚男性の63%が「子どもができにくい」体質不安をもっている!
なんと63%の既婚男性が、将来子どもができにくい(できないかもしれない)体質だという不安を抱えていることがわかりました。77%を超える女性と比較すると少なくはなりますが、どの年代においても不安を感じていることがうかがえます。
自分は「精子に問題があるかもしれない」!?
体質不安の要因を詳しく聞くと、周囲の知人や芸能人のニュースなどで不妊の情報が入ってくる中、結婚・出産年齢の高まりは男性にも不安を与えていることがわかりました。年齢や不妊のニュースだけでなく「精子」や「性機能」への不安を抱えてること人も多いようです。特に、30歳以上の既婚男性の5人に1人は精子に問題があるかもしれないと感じています。不安を解消する手立てが求められます。
精子のセルフチェックは、認知率50%も!
昨今話題にのぼることも多い、精子のセルフチェック。名前を聞いたことがある人は男女ともに50%を超えていることがわかりました。排卵日予測検査薬に比べると低くはありますが、セルフ妊活への関心度がうかがえます。でも、まだ使用率は低く、3.8%にとどまっています(前出グラフ参照)。男性の妊活意識の向上が、次には行動変化につながっていくことが期待されます。妊娠・出産についての知識の男女差もまだありますが、「ふたり妊活」の高まりで埋まっていくと予想されます。
新型コロナウイルスの影響で、男性妊活はこう変わった!
新型コロナウイルスの影響で、約半数の男性が「それ以前と比べて情報入手先や相談相手が変化した」と答えました。特にパートナーとより話し合うようになるなど、ふたり妊活の推進につながったようです。オンラインによる診療や妊活情報の収集など、今できる取り組みを模索している様子もうかがえました。また、自分のライフプランや家族のことをより考える時間が増え、健康やパートナーの気持ちを気遣うようになるなどの意識変化も見られました。新たにサプリメントやセルフ検査キットの使用を始めるなど、積極的な活動をスタートした方も少数ながらいるようです。
2020年は妊活において様々な制限がかかる年となりました。不安な気持ちを抱える夫婦に少しでも寄り添いたいと思い、今の「妊活」に関する声を集めました。ロート製薬はこれからも「赤ちゃんが欲しい」と願う夫婦の気持ちに寄り添いながら、世の中が大きく変化する状況下でも「自分たちの妊活」を見つけていくふたりを応援していきます。
専門家からのアドバイス
男性が妊活への意識を高めてきているのは、とてもよい傾向だと感じています。
妊活は、女性だけが行うことではありません。女性が体の状態を調べたり、整えたりと妊娠に向けた準備をするように、男性も自分の精子の状態を調べたり、喫煙やパンツの中の温度上昇など精子産生によくないことを避ける、栄養に気を配りストレス対策も行って健康的な生活を送る、など、できることを積極的にみつけ、「ふたりで一緒に妊活を」するのが理想です。お互いを思いやりながら、同じ気持ちで取り組めるといいですね。精子の数は調べる日によって大きく変わり、妊娠するかどうかは精子の数だけでは決まりません。でも、排卵直前のタイミングで性交渉をもつと、妊娠したカップルの9割近くが6周期以内に妊娠した、という報告があります。なので、6周期チャレンジしてうまくいかない時は何かの手助けがいることが多いです。ぜひ、お二人で産婦人科を受診していただきたいと思います。
大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学教室 教授 木村 正
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・指導医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
日本婦人科腫瘍学会 婦人科腫瘍専門医・婦人科腫瘍指導医