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ヤヌス・キナーゼ阻害剤「ROH-201」の国内前期第二相試験開始のお知らせ

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研究開発

ヤヌス・キナーゼ阻害剤「ROH-201」の国内前期第二相試験開始のお知らせ

2021年3月8日

ロート製薬株式会社(本社:大阪、以下「ロート製薬」)は、日本たばこ産業株式会社(本社:東京、以下「JT社」)が創製したヤヌス・キナーゼ阻害剤(JAK:Janus Kinase阻害剤)(一般名:デルゴシチニブ)を当社開発コードROH-201(以下「本剤」)として前期第二相試験を開始致しました。
ヤヌス・キナーゼは細胞のチロシンキナーゼの一種であり、細胞内の免疫活性化シグナル伝達に重要な役割を果たし、本剤はこの働きを阻害し免疫反応の過剰な活性化を抑制することで眼疾患を改善することが期待されます。これまでに非臨床試験での安全性ならびに第一相試験において健康成人での安全性が確認されましたので、これらの試験結果を踏まえ、前期第二相試験ではシェーグレン症候群患者を含むドライアイ患者を対象とし、有効性および安全性について評価します。
JT社はデルゴシチニブをアトピー性皮膚炎を適応症とした軟膏剤として開発を進め2020年1月に承認を受けていますが、ロート製薬は2018年3月にJT社とライセンス契約を締結し、眼科領域の治療薬として本剤の開発を進めています。

用語解説

  • シェーグレン症候群
    免疫のバランスが崩れる事により涙腺や唾液腺が障害される臓器特異的な症状を有し、難病指定を受けている自己免疫疾患です。眼科領域では涙腺が障害されることでドライアイ症状を伴い重症化しやすいと言われています。
  • チロシンキナーゼ
    タンパク質を構成するアミノ酸の一種であるチロシンにリン酸を付加するリン酸化酵素であり、細胞の増殖、生存、発達や分化に関与し、細胞内の免疫活性化シグナル伝達に重要な役割を果たす酵素群の総称です。ヤヌス・キナーゼはその一種になります。

JT社について

JT社はグローバルたばこメーカーであり、その製品は130以上の国と地域で販売されています。加えて、医薬事業及び加工食品事業も展開し、さまざまな事業活動をおこなっています。JT社は主に「糖・脂質代謝」「免疫・炎症」「ウイルス」域での研究開発機能を担い、グループ会社である鳥居薬品株式会社が国内での製造及び販売機能を担っています。
詳しくは、https://www.jti.co.jp/をご覧ください。

以上