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新型コロナウイルス感染症の治療薬候補物質に関するバイオミメティクスシンパシーズとのライセンス契約および研究開発組織「RB⁺」について

新型コロナウイルス感染症の治療薬候補物質に関するバイオミメティクスシンパシーズとのライセンス契約および 再生医療の研究成果を新規創薬ターゲットの発見につなげる研究開発組織「RB⁺」について

2021年4月14日

ロート製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:杉本雅史)は、株式会社バイオミメティクスシンパシーズ(本社:東京都、代表取締役社長:漆畑直樹、以下、バイオミメティクスシンパシーズ)が見出した新型コロナウイルス感染症の治療薬候補物質のうち、一つの候補物質(キノロン系化合物:特許査定)に関してライセンス契約を締結しましたのでお知らせいたします。今後、当社はバイオミメティクスシンパシーズとともに本候補物質に関する開発を進めてまいります。
また、今回の新型コロナウイルス感染症に関する治療薬候補物質発見例をもとに、その他の重大な医療課題に対しても有効な治療薬候補を社会に提供するため、再生医療のメカニズム解明を新規創薬ターゲットの発見に繋ぐ研究開発組織「RB⁺」を両社で運営し、オープンイノベーションにより治療薬の実用化に向けた動きを加速してまいります。

候補物質(キノロン系化合物)とライセンス契約について

バイオミメティクスシンパシーズは間葉系幹細胞により想定される新型コロナウイルス感染症の治療メカニズムを解析することにより、転写因子FOXO1がACE2とTMPRSS2の遺伝子発現の制御に重要であることを見出した結果、FOXO1の阻害作用を持つ治療薬候補物質の発見に成功しました。発見された治療薬候補物質のうちの一つが、今回当社がライセンス契約を締結したキノロン系化合物です。
本物質は、新型コロナウイルスが自身のスパイクタンパク質を介してヒト細胞への侵入と感染を成立させるために重要なACE2とTMPRSS2という両方の遺伝子発現を抑制するという、非常に画期的なものです。これまでもACE2またはTMPRSS2のいずれか一方をターゲットとする薬剤は知られていましたが、本物質はそれら両方を一剤で抑制することが大きな特徴です。今後、本物質に関して、バイオミメティクスシンパシーズと医薬品開発に向けた共同開発を実施し事業化についても、両社で検討してまいります。

再生医療の研究成果を新規創薬ターゲットの発見につなげる新組織「RB⁺」について

再生医療研究から見出した新しいメカニズムから新型コロナウイルス感染症の治療薬候補を同定した手法を他の疾患の治療薬開発にも広げるために、当社とバイオミメティクスシンパシーズは新しい研究開発組織「RB⁺」を発足します。「RB⁺」は、近い将来、間葉系幹細胞が対象とする多くの疾患に対する治療メカニズムについても解明し、従来知られていなかった創薬ターゲットを見出し、他の企業にも参画いただき、オープンイノベーションによって治療薬の実用化に向けた動きを加速する共創プラットフォームです。

株式会社バイオミメティクスシンパシーズについて

所在地 東京都江東区
代表者 代表取締役 漆畑 直樹
事業内容 細胞性医薬品に関する研究開発と臨床開発/再生医療に関する製品、知的財産及び権利のライセンス導出/再生医療技術を基盤とする化粧品事業/再生医療関連ビジネスの事業開発/再生医療支援/医療機器開発支援
URL https://www.bm-s.biz/

用語解説

  • 間葉系幹細胞:骨芽細胞、脂肪細胞、軟骨細胞などへの分化能をもつとされる細胞です。由来となった組織において、幹細胞として機能しているかどうか不明であるため、間葉系間質細胞と呼ばれることもあります。
  • 転写因子:遺伝子の発現を制御するDNAに特異的に結合するタンパク質の一群のことです。
  • FOXO1:転写因子の一つです。
  • ACE2:新型コロナウイルスが感染時に結合するヒト細胞表面の受容体タンパク質です。
  • TMPRSS2:ACE2に結合した新型コロナウイルスのスパイクタンパク質を切断することにより、感染に重要なスパイクタンパク質の活性化を行うタンパク質です。
  • スパイクタンパク質:ヒト体内の細胞表面タンパク質と結合する、新型コロナウイルス表面に発現しているタンパク質です。