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花粉による皮膚の炎症を、ジフェンヒドラミン塩酸塩、リドカイン、アラントイン、グリチルリチン酸二カリウムの4成分が抑制することを確認

花粉による皮膚の炎症を、ジフェンヒドラミン塩酸塩、リドカイン、アラントイン、グリチルリチン酸二カリウムの4成分が抑制することを確認

2020年1月14日

ロート製薬株式会社(本社:大阪府大阪市、社長:杉本雅史)は、花粉による皮膚炎のメカニズムの解明とそれに基づいたスキンケア製品、治療薬の開発を進めています。今回、表皮角化細胞において、花粉による炎症反応を抑制可能な成分を探索した結果、ジフェンヒドラミン塩酸塩、リドカイン、アラントイン、グリチルリチン酸二カリウムの4成分に有効性を確認しました。

研究成果のポイント

  • 花粉による皮膚炎のメカニズムとして、アトピー性皮膚炎等のアレルギー反応に関与する遺伝子「IL-33」に着目
  • 複数の化学物質に、花粉によるIL-33遺伝子発現誘導を抑制する作用を確認
  • 花粉による皮膚炎に対して有効な、これら4成分を含む外用薬の開発が期待される
※IL33:リンパ球、肥満細胞、好塩基球、好酸球など、アレルギーを起こす免疫細胞を活性化するタンパクであり、花粉症や喘息、アレルギー性鼻炎などの発症を誘導あるいは症状を悪化させる作用を持つことが、これまでの研究から明らかとなっているほか、アトピー性皮膚炎の皮膚でも多く産生されていることが知られています。
(Proc Natl Acad Sci U S A. 2013 Aug 20;110(34):13921-6)

研究内容

研究の背景

花粉はアレルゲンとして作用し、くしゃみ・鼻水・目のかゆみといった一般的な症状に加えて、顔や首のかゆみ・湿疹・紅斑といった花粉による皮膚炎を引き起こすことが知られています。最新の研究成果から、花粉による表皮バリア機能の恒常性を破壊するメカニズム等が明らかとなってきています。当社におきましても大気有害物質による皮膚への悪影響に関する研究を通じ、花粉による表皮角化細胞のIL-33遺伝子の発現促進が花粉による皮膚炎の症状の増悪に関与する可能性を示して参りました。花粉による皮膚炎のメカニズム解明が進む一方で、治療薬の開発においては常に日光に暴露され刺激に弱い顔や首にはステロイドを使用できないといった安全性上の課題が存在し、花粉による皮膚炎に適した有効成分の探索が求められています。

結果

ジフェンヒドラミン塩酸塩、リドカイン、アラントイン、グリチルリチン酸二カリウムは、花粉による皮膚の炎症を抑える。

正常表皮角化細胞に花粉を添加すると、IL-33遺伝子の発現量が有意に増加し、炎症反応が引き起こされることを確認しました。この時、ジフェンヒドラミン塩酸塩、リドカイン、アラントイン、グリチルリチン酸二カリウムを添加すると、IL-33の発現量が減少し、炎症反応が抑制されることを見出しました。

試験方法:正常ヒト由来表皮角化細胞にスギ花粉と、被検薬としてジフェンヒドラミン塩酸塩、リドカイン、アラントイン、グリチルリチン酸二カリウムを添加した。添加6時間後のmRNAを回収し、IL-33遺伝子の発現量をRT-PCR法にて定量し、Tukey-Kramer法にて統計学的有意を検証した。

今後の展望

本研究により、ジフェンヒドラミン塩酸塩、リドカイン、アラントイン、グリチルリチン酸二カリウムには、花粉による表皮角化細胞の炎症反応を抑制する作用があることが確認されました。これらの物質は医薬品有効成分として用いられることがありますので、今後もお客さまの花粉トラブル解決のため、引き続き花粉による皮膚炎のメカニズム解明とそれに基づいたスキンケア製品・治療薬の研究開発を継続してまいります。