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製品開発

医薬品・機器開発部 兼 薬事推進部

研究系総合職

ロートネーム

ほってぃ

薬学系(化学)出身/2013年入社

OTC医薬品開発を支える、
メカニズムへの意識

「ものづくりの部門に配属になると思っていなかったので最初は驚きました。でも自分のキャラクターでもあるんですが、どうせなら役に立ちたい、その場にいる意義を示したいと思い、1日でも早くこの仕事を身につけてやると思っていましたね。」

と最初の配属の頃を振り返ってくれたほってぃ。今はコンタクトレンズユーザー向け目薬や製品化に向けた基礎技術の開発に取り組んでいます。

一般的に、ドラッグストアの店頭などで購入できるOTC医薬品はお客様に手に取っていただくまでに開発を始めてから1年半~2年の時間がかかります。そのためすべてのプロセスを経験するまで最初の2~3年は修行の期間だと捉えていたそう。
その認識が製品開発に関わり始めて変わっていったそうです。一般的にはコンセプトを具体化するために、成分を組み合わせて処方を開発していくプロセスにフォーカスするものだと思われがちな製品開発の仕事。処方開発に加えて、お客様に安心・安全に使っていただくための検討も大事な仕事になります。

「慎重に検討を重ねても、100%確信を持てることはないんです。開発を進める中で、この商品が何万人、何十万人というお客様に届くのだと思うようになるにつれて、責任の大きな仕事なんだと実感するようになりました。」

コンタクトレンズユーザー向け商品の場合、使っていただくお客様への配慮だけでなく、レンズへの影響を検討する必要があります。コンタクトレンズへの成分付着や成分による品質の影響など、裸眼の方にも使っていただける目薬と比較して、開発に時間も手間もかかります。

「安全性が低下しているときには何が起きているんだろうという風に、問題が起きるメカニズムをしっかり理解することを大事にしています。その上で解決のための道筋を立てたり、ほかに問題が起きそうな可能性がないかを検証したりしています。」

学生の頃は薬学部で有機反応の研究をしていたこともあり、当時から反応のメカニズムを追及していくことに興味があったほってぃ。

「学生の頃は単純な反応に触れていましたが、体内の薬理反応も有機反応が複雑になったものだと思っていて。目の前で起こる現象の根源ではどんなことが起きているんだろうと常に考え、原理を追求していく姿勢は今の仕事でも大事にしています。」

お悩みは眼科医の
先生方へのヒアリングから

製品開発の際にどうやってお客様の悩みを見つけていくかを伺うと、返って来たのは意外な答え。

「実は眼科医の先生にお話を伺うことが多いです。患者様がどんなお悩みで眼科にいらっしゃるのか、悩みの根本はどのあたりにあるのかなど、先生のご経験に基づいたお話を伺います。事例はもちろんですが、ここでもメカニズムに関してお伺いすることが多いです。」

コンタクトレンズユーザーの方の目にこういう不都合が生じているなど、様々な患者様の目を見ている眼科医の先生だからこそご存じの事例があります。理論的には知っていたことが、実際に臨床の現場でも課題になっていたり、自分の認識とは違っていたり。どんな風に不快感が起きているのか、先生の丁寧な説明を伺いながら、製品コンセプトを思い描いていきます。

「実際に伺ったお話の中から誕生した商品もあります。もちろん重篤な患者様は眼科医に通われると思うのですが、まだまだOTC医薬品でお役に立てる部分もあるなと実感しています。OTC医薬品の場合、1つの商品の中に複数の有効成分が配合されていることが多くあります。これらが複合的に作用し、症状改善につながっていることもあり、OTC医薬品の方が得意な領域もあるよねといってくださる先生もいらっしゃいますね。」

医薬品という疾患にもつながる領域なので、疾患に関して理解し、疾患が発生するメカニズムを追及して、より効果がある商品づくりにつなげていきたいと考えられているそうです。
ただ、私たちの目の悩みは不快感や疲れなど疾患以外に感覚的なものもたくさんあります。そのあたりはマーケティングに携わるメンバーと一緒にグループインタビューでお客様にお話を伺ったりもしています。インタビューで出てきた気になるキーワードに着目し、その原因や解決策を探っていきます。

「目の悩みもお客様によって様々です。また、一つの悩みで悩まれているというよりは、いくつかの悩みが複合的に出てきたりすることもあります。そういう場合、複数の成分が配合された商品がお役に立てることもありますが、本音では一人ひとりのお悩みをきちんと伺い、お悩みに合わせたご提案ができるようになればいいなとも思っています。」

ルールを知ることで
見えてきた新しい可能性

「新しい挑戦をするためにきちんとルールを知ろうと思い、4年前くらいから薬事の仕事とも兼務を始めました。ルールがきちんと分かっていないと、できること・できないことがわからなくて。申請業務を行いながら少しずつ勉強していきました。」

当然ながらすべての事例を網羅的に法律の中に記載できているわけではありません。そのため、基本的なルールに準拠しつつ、どのように解釈していくのかも大切なポイントになります。これまでの判例や他社がどのように解釈しアクションしているのかにも着目し、常に情報収集しながら、製造・販売のために必要な承認申請や届出の参考にしていきます。

「承認されている有効成分以外に、新しい有効成分を配合できるようにする際に申請や承認が必要になります。前例がないものを承認いただくので、承認のために必要なポイントが何かをきちんと理解して進めていく必要があります。成分の有効性だけでなく、安全性や安定性に関するデータなど申請に必要な情報を集め、承認申請の妥当性を納得いただけるようなストーリーを考えていきます。」

今でこそ、コンタクトレンズユーザーの方向けの商品ラインナップも一般的になりましたが、ほってぃが製品開発に関わり始めた当初はまだまだ商品の数や種類も少なかった頃。一つ一つ事例を蓄積していく中で、どうすれば思い描く製品が承認いただけるかを試行錯誤してきたそうです。

「できないことも知ってしまっているので、製品開発にブレーキをかけてしまうことがあります。でも、法律も製品のことも詳しくなったおかげで挑戦できそうなことがたくさん見えてきて。これからも解決できていないお客様のお悩みに応えられる製品開発をしていきたいですね。」

編集後記

編集後記1909年に「ロート目薬」を発売して、早110年以上。「ロート製薬といえば、目薬の会社だよね。」と言っていただくことも多く、私たちにとっても大事なカテゴリーの一つです。「お客様が本当に悩みを抱えていることは何か?」を常に考え続け、これまでも様々な切り口で商品提案をしてきました。
パソコンやスマートフォンに向き合う時間が増えたことで、目の悩みを感じる方も増えた昨今。まだまだ解決できていない目の悩みもあるなと感じています。
今回のインタビューを通じて、目や疾患のことをきちんと理解した上で、期待されている効果が十分に得られ、医薬品としての安全性や品質の良さを保てるように日々試行錯誤されている姿を感じました。この記事をきっかけに、OTC医薬品を開発する仕事にも興味を持っていただけたのであれば幸いです。