昭和初期の日本の目薬は、目薬液を保存する瓶にストロー状の点眼器を差し込み、目薬液を吸い上げ、点眼器から目の中に液滴を落として使用するものが一般的でした。
1931年に発売された両口点眼瓶の「ロート目薬」は、瓶と点眼器を一体型にした画期的な容器として、一躍トップブランドとなりました。
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『ロート目薬』(1909年)
ガラス瓶をコルク栓でしめる容器+点眼器
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『ロート目薬』(1931年)
滴下式両口点眼瓶(一体型)
現在の目薬容器の原型となった両口点眼瓶は、「お客様の使いやすさ」にとことんこだわる容器開発の姿勢のたまものでした。
1964年にはプラスチック容器を完成し、新ブランド「V・ロート」を発売しました。従来のガラス製容器より押しやすいことはもちろん、使いやすい形状を追求して角型容器が誕生しました。
1980年以降は「ロートジー」のワンタッチキャップや「ロートシーキューブ」の卵型容器など、お客様の生活スタイルにとけこむ目薬容器を開発してきました。
現在では、目薬、化粧品や食品、検査薬など多岐にわたる製品の容器を研究開発しています。これからも、変化を続ける環境やお客様のニーズに向きあって取り組んでいきます。
ユニバーサルデザインを取り入れた容器
1990年に発売したかゆみ治療薬「メンソレータムAD軟膏」(現・メンソレータムADクリームm,第2類医薬品)は、乾燥の季節に多くのお客様に手に取っていただいているロングセラー製品です。
日々届くお客様の声の中には「乾燥の季節に欠かせないけれど、力が弱いため容器が開けやすくなると嬉しい」というものがあり、関連部門一丸となって改良に取り組みました。高齢の方や、手に力が入りにくいという障がいがある方々に試作段階から試用していただきながら完成しました。
特長1 ひとひねりで開閉しやすいフタ
これまではフタを数回まわして開封する容器でしたが、さらなる使いやすさを目指し、ひとひねりで開くフタに改良しました。
特長2 握りやすく滑りにくい形状
手のひらでしっかり容器を握り、力を入れやすいように、容器の角に丸みを設け、フタを高くしました。
またフタの滑り止めの構造を見直し、クリームを使った後の手でも、滑りにくく使える仕様になっています。
詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
メイク崩れをこわがらずに使用しやすい目薬容器
「ロートリセグロウ」(第3類医薬品)は、社会で活躍しながら「自分の好きな可愛い目でいたい」と願うお客様に、メイク崩れを気にせず、疲れた瞳を癒していただきたいとの想いから開発しました。
特長1 長いネックで狙いうちしやすい
女性が目薬を使用するときの手と頭の動きや、目と顔のサイズなどを研究して、目薬ボトルの最適なネックの長さを見つけました。ねらった位置に目薬のしずくを落としやすくなり、メイク崩れしにくい容器設計になっています。
特長2 ネック形状の工夫で軽く開けられるキャップ
キャップをひねって開ける際に、ボトルのネックの傾斜に沿ってすべるように、ネックの角度を設計しました。複数の試作モデルで角度を比較・検証し、軽い力で開封できる角度を導き出しました。
最適な1滴にこだわったノズル
販売名/①メンソレータムホワイトCG、②メンソレータムRホワイトCGP、③RロートMエッセンスC(全て医薬部外品)
①②③効能・効果/メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ、ニキビを防ぐ
メラノCC美容液をご使用くださるお客様にこたえるために、製剤はリニューアルを重ね、より最適な処方に進化してきました。
それにともなって、容器の開発も処方の良さを最大限に発揮できるように取り組んでいます。
特長1 ピュアビタミンCの酸化を防ぐ
メラノCC美容液の特長成分であるピュアビタミンCは酸化しやすい成分です。お客様が開封してから使い切るまでの間に、製剤の効果を感じ続けていただくために、酸化を抑制する球状弁構造のノズルを使用しています。2005年発売の初代製品からずっと、容器もメラノCC美容液の効果を支えてきました。
特長2 1滴ずつ快適に使用できるワンドロップノズル
製剤がリニューアルを続けるなかで、ノズルから1滴ずつ出すためには、強い力でチューブを押す必要が出てきました。
そこでノズルの球状弁構造を改良し、スムーズに1滴ずつ使用できるワンドロップノズルを開発しました。このように製剤に合わせてお客様により快適にご使用いただけるように取り組んでいます。
スキンケア感覚を支える容器設計
「スキンアクア」シリーズのヒアルロンセラムUV(販売名:スキンアクアスキンモイスチャーUVG,化粧品)は、塗るたびにうるおい、ツヤもち肌へ整える日やけ止めです。
ロート製薬のヒアルロン酸研究の知見で成分を厳選し、エタノールフリーの心地よい使用感を設計し、紫外線吸収剤を天然由来成分のカプセルで包むなど、多くの挑戦をした製剤です。容器開発でも、毎日使いたくなる心地よさや、こまめに塗り直せる快適さをとことん追求しました。
特長1 斜めカットの吐出口で塗りやすさを実現
顔やからだ等のさまざまな部位にすばやく適量を塗れるように、吐出口の向きや直径を検討しました。3Dプリンターで試作と評価を繰り返し、ヒアルロンセラムUVの製剤特性に最適な斜めカット形状と直径を、商品企画部門や製剤開発部門とともに導き出しました。
特長2 逆さまに置けるワンタッチキャップ
キャップ上部を平らにすることで、容器を逆さまに置ける設計にしました。製剤が残り少なくなっても吐出口まで落ち、最後まで快適に使用できます。さらに、片手で素早く開けられるヒンジ式ワンタッチキャップで、1日に何回も塗り直しを行っていただけるように工夫しました。
シミュレーションで容器設計を最適化
CAE(Computer‑Aided Engineering)を用いて、ボトルとキャップの動きなどをシミュレーションします。これにより短期間で多くの容器の設計案を評価することができます。
成形した容器はX線CT装置を用いて内部構造を可視化・定量評価します。これらの結果を相互にフィードバックしながら、機能性と使いやすさを両立する容器を仕上げていきます。
感性評価と動作解析
使い心地に関する声を集め、主成分分析の相関円で使いやすさの要因を可視化します。
これらの感性評価と、容器操作の動きをセンサーで計測したデータを統合して、使いやすさを定量化し、容器の設計に活用しています。