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動物試験代替法への取り組み

研究開発

動物試験代替法への取り組み ~ヒト三次元培養表皮モデルを用いた光毒性試験法の検討~

2018年3月9日

ロート製薬株式会社(本社:大阪市、社長:吉野俊昭)は、より安心で安全な製品をお客様にお届けするために、化粧品開発のみならず、医薬品、医薬部外品の開発においても動物実験代替法を用いた評価を積極的に取り入れた研究開発を推進しております。
動物実験代替法検討の取り組みの一環として、一般財団法人食品薬品安全センター 秦野研究所(神奈川県秦野市)と共同で光毒性の評価検討を実施し、日本動物実験代替法学会第30回大会(2017年11月23日~25日、東京都)で発表を行いました。

タイトル

ヒト三次元培養表皮モデルを用いた光毒性試験法の検討

研究の背景

現在、ガイドライン化されている光毒性評価の代替試験法※1は、水に難溶性の物質や製剤を適正に評価できない場合があるため、難水溶性物質、製剤も適用可能なヒト三次元培養表皮モデルを用いた光毒性試験法の検討に取り組みました。

※1:ICH S10ガイドライン、OECDテストガイドライン432

研究内容

皮膚刺激性の代替試験法としてガイドライン※2に収載されている「ヒト三次元培養表皮モデル」を用いて、光の照射量、強度及び照射時間などを検討し、最適な試験条件を設定することができました。さらに、設定した試験条件を元に、陽性対照物質(既知の光毒性物質)および光毒性物質を含む油溶性植物抽出液についても評価を実施しました。本試験条件は、陽性対照物質(既知の光毒性物質)だけでなく、油溶性植物抽出液についても光毒性物質の含有量に相関した結果を得ることができました。

※2:OECDテストガイドライン439

今後の展望

今回の研究は、光毒性物質を含む油溶性植物抽出液についても評価できたため、難水溶性物質ならびに製剤における光毒性も評価できる可能性が示唆されました。今後も引き続き、今回の試験法の有用性を検証し、製品の安全性評価の拡充と共に、動物試験代替法の開発・活用に取り組んでまいります。