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糖尿病性潰瘍に対する創傷治療システム「TKKT01」治験開始

研究開発

糖尿病性潰瘍に対する創傷治療システム「TKKT01」治験開始

2018年10月31日

ロート製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役会長兼社長:山田邦雄、以下「ロート製薬」)は糖尿病性潰瘍の新たな治療選択肢として期待される、自己多血小板血漿(PRP:Platelet-Rich Plasma)療法による創傷治療システム「TKKT01」の治験を開始致します。糖尿病性潰瘍患者を対象として、有効性及び安全性を検討致します。
ロート製薬は健康寿命の延伸を目指し、スキンケアとアイケア製品を始め、最先端の「再生医療研究」への取り組みも行っております。スキンケア分野においては、ダーマトロジー(皮膚科学)研究を積み重ね、数多くの分野での製品開発・製剤化のノウハウを有し、医薬品から機能性化粧品まで、それぞれに対した製品の提案を行ってきました。「再生医療研究」では、治療法がない疾患や既存療法の効果が小さい疾患に対して新しい治療法の研究を進めており、既存治療での改善が認められない糖尿病性潰瘍の新しい治療法の提案を目指しております。

背景

日本では糖尿病患者は1,000万人、予備軍も含めると2,000万人以上いると推測されております。糖尿病の合併症の1つに糖尿病性潰瘍があり、糖尿病患者における皮膚潰瘍の有病率は15%程度にも及ぶとの報告もあります。高齢化に伴い、糖尿病患者は増加傾向であり、その合併症である糖尿病性潰瘍患者も増加が想定されております。糖尿病性潰瘍が重症化すると、下肢切断に至ることもあるため、糖尿病性潰瘍の創傷治療を積極的に行い、早期から病態の悪化を防ぐことが重要です。近年、海外においては自己多血小板血漿(PRP)療法の有用性が報告されており、日本でも新しい治療法として「TKKT01」の有効性や安全性等の評価を行います。「TKKT01」は、既存治療での改善傾向が認められない糖尿病性潰瘍の新たな治療選択肢になることが期待されます。

  • 自己多血小板血漿(PRP)療法:患者から採取した血液から血小板を分離濃縮した自己多血小板血漿(PRP)を損傷組織に投与することで、自己多血小板血漿(PRP)中に含まれる高濃度の各種増殖因子の作用により組織の再生を促進します。

治験概要

糖尿病性潰瘍患者を対象としたTKKT01の一般臨床試験

  • 治験の目的:既存治療が奏効しない糖尿病性潰瘍患者を対象として、TKKT01の有効性及び安全性を検討する
※TKKT01:糖尿病性潰瘍治療のための自己多血小板血漿(PRP)を調製する医療機器