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界面活性剤を使わない美肌クレンジング技術を開発

お客様の肌および環境へ配慮した製剤技術開発 界面活性剤を使わない美肌クレンジング技術※1を開発 ~特定の水溶性保湿剤と油溶性保湿剤の組み合わせにより、良好なメイク落ちを実現~

2020年8月25日

ロート製薬株式会社(本社:大阪市、社長:杉本雅史)は、肌の健康を考えたスキンケアの研究を進めています。今回、お客様の肌の健康に加え、環境面へ配慮しサスティナブルな社会の実現を目指したスキンケア技術として、界面活性剤を使わないクレンジング剤の製剤技術開発に成功しました。本技術は一般的なクレンジング技術と同等のメイク落ちを実現すると共に、肌へ保湿効果を付与することを確認しました(特許出願済)。
本技術は、今後、クレンジング製品をはじめとするスキンケア製品などに応用していきます。

※1:美肌クレンジング技術:特定の水溶性保湿剤と油溶性保湿剤を含む、界面活性剤を使用していないクレンジング製剤のことです。

図1:美肌クレンジング技術※1とクレンジングのクレンジング力

【試験方法】人工皮革にリキッドファンデーションを一定量塗布した上に、水もしくは各クレンジング製剤をのせた。指で一定回数こすって製剤をメイクに馴染ませた後、指でこすりながら温水で製剤を洗い流し、人工皮革の画像撮影を行った。

研究成果のポイント

  • 一般的なクレンジング技術で用いる界面活性剤を使わず、一般的な技術と同等のメイク落ちを実現させたクレンジング剤の製剤技術開発に成功
  • 本技術が肌へのダメージを考慮しながら肌への保湿効果を付与することを確認
    ⇒肌の健康及び環境を考慮した美肌クレンジング技術※1を開発

研究の背景

一般的なクレンジング技術で用いる一部の界面活性剤は、うるおいを奪い乾燥の原因になる可能性があることが知られています。また、クレンジング剤に配合されている一部の界面活性剤は洗い流すことで、水環境に影響を与える可能性があります。そこで今回、環境を考慮すると同時に、肌に優しく保湿効果も高いクレンジング剤を日々使い続けることで、将来の肌の美しさにつながる製剤を開発したいと考え、界面活性剤を用いないクレンジング剤の製剤技術開発に取り組むこととしました。

結果

今回、数種の水溶性保湿剤と油溶性保湿剤をバランス良く組み合わせることにより、界面活性剤を使用せずに良好な製剤安定性とメイク落ちを実現できることを確認しました(図1)。
また本技術は一般的なクレンジング技術に比べて使用後の肌水分量が有意に高くなることを確認しました(図2)。
さらに、ヒト表皮モデル細胞において、一般的な界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)を投与した場合、細胞生存率は50%未満と低い値を示す※2一方、本技術を投与した場合の細胞生存率はコントロールと比較してほぼ同等であることを確認できたことから(図3)、本技術は細胞へのダメージを考慮しながら、肌への保湿効果を付与できる技術であることを確認しました。

図2:美肌クレンジング技術※1と一般的なクレンジング技術の保湿力

【試験方法】前腕内側部を水で洗浄し室温環境下で恒温化した後、水分量をSKICONで計測した。各製剤を一定量塗布し、温水で洗い流した一定時間後に再度水分量を測定した。
従来のクレンジング技術の洗浄後の水分量を100%としたときの美肌クレンジング技術の洗浄後の水分量の値をグラフに記載した。(N=8)
統計処理はDunnet’s検定で行った。(** P<0.01)
(ロート研究所実施)

図3:美肌クレンジング技術※1の細胞生存率

【試験方法】ヒト表皮モデル細胞にPBS及び製剤を適用し、細胞生存率を比較した。細胞生存率はコントロール(PBS)の数値を100%とし、製剤の値を算出した。(ロート研究所実施)

美肌クレンジング技術※1

一般的なクレンジング技術は、クレンジング剤中のオイル成分がメイクとなじむと同時に界面活性剤がメイクを絡めとり、水で洗い流すことでメイクを落とすことが知られています。その際、一部の界面活性剤が肌に必要な皮脂も絡めとる可能性があり、クレンジングによる乾燥や肌荒れを引き起こす場合があります。
一方、美肌クレンジング技術※1は、美容オイル成分がメイクとなじんで浮かせ、水で洗い流してメイクを落とすと考えられます。肌のバリアは壊さず、なおかつ洗い流し後は美容液成分が肌を保湿するため、洗うたびにうるおう技術になっていると考えられます(図4)。

図4:美肌クレンジング技術※1と一般的なクレンジング技術のメイク落ちメカニズム

今後の展望

本研究成果により、一般的なクレンジング技術で用いる界面活性剤を用いることなく、従来品と同等以上のメイク落ち機能を持つと同時に、肌細胞へのダメージを考慮しながら、肌への保湿効果を付与する美肌クレンジング技術※1を開発しました。
今後も肌への優しさを考慮したスキンケア製品の開発を目指すとともに、サスティナブルな社会を実現するために環境へ配慮した観点からの研究開発を進めてまいります。

用語解説

※1:美肌クレンジング技術:特定の水溶性保湿剤と油溶性保湿剤を含む界面活性剤を使用していないクレンジング製剤のことです。

※2:OECDガイドライン(Test No. 439: In Vitro Skin Irritation: Reconstructed Human Epidermis Test Method)中のコントロールデータより。

※3:美容液成分A:親水性の高い水溶性保湿剤。

※4:美容液成分B:親油性の高い水溶性保湿剤。メイクの洗い流しに寄与する。