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新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原迅速検査キットの臨床検体を用いた性能評価を実施しました

製品・事業

研究開発

ロート製薬・大阪市立大学による共同研究 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原迅速検査キットの臨床検体を用いた性能評価を実施しました

2021年6月30日

ロート製薬株式会社(本社:大阪市、社長:杉本雅史)は、大阪市立大学大学院医学研究科(臨床感染制御学教授 掛屋 弘、寄生虫学准教授 城戸 康年、同特任講師 中釜 悠ら)との共同研究により新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原迅速検査キットの国内臨床検体(鼻咽頭ぬぐい液)を用いた性能評価を実施いたしました。なお、本品は2021年6月16日に発売を開始し、国内の流通・販売・プロモーションは販売提携契約を締結した企業へ委託しております。
今後も産学連携での研究開発を積極的に行うとともに、医療機関や患者様のニーズにお応えし、人々の健康に貢献してまいります。

背景:イムノクロマトグラフ法による抗原迅速検査について

イムノクロマトグラフ法による抗原迅速検査は、有症状者においてウイルスの抗原を検知し、診断に導く、簡便・迅速なポイントオブケア・デバイスであり、外来における有症状者のスクリーニング等に有用です。特に、新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、PCR等の大型の検査機器・設備が整わない地域・国等では、その利用価値は更に高いと考えます。
また、2021年5月28日の新型コロナウイルス政府対策本部において、改訂された基本的対処方針において、「政府は、クラスターの大規模化及び医療のひっ迫を防ぐ観点から、職場においても、健康観察アプリも活用しつつ、軽症状者に対する抗原簡易キット等を活用した検査を実施するよう促し、陽性者発見時には、幅広い接触者に対して、保健所の事務負担の軽減を図りつつ、迅速かつ機動的にPCR検査等を行政検査として実施する」とされたところであり、今後、さまざまな場面において、品質担保された抗原迅速検査のニーズはますます高まるものと考えております。

研究結果

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原迅速検査キットの国内臨床検体(鼻咽頭ぬぐい液)を用いた性能評価を実施した結果、105コピー/テスト以上を有する検体に対し良好な陽性一致率であり、また、陰性一致率は100%であったことを確認いたしました。これらより、一定の症状を有する患者等に対し、検査指針に従って陽性または陰性の確定診断を行うことの臨床的有用性を期待できるものと考えられました。

ロート製薬と大阪市立大学の今後の展望

今後も引き続き、大阪市立大学との共同研究を継続していきます。上記の背景も踏まえ、新型コロナウイルス抗原迅速検査キットの自己採取可能な検体種への拡大や海外展開等を通して、世界の医療機関や研究機関、患者様のニーズにお応えし、人々の健康に貢献してまいります。
また、本性能評価を実施した、大阪市立大学大学院医学研究科・寄生虫学では、アフリカ・中南米等で感染症にかかる研究活動を長年行ってきており、大阪市立大学が運用している、コンゴ民主共和国における海外研究拠点*)において、本共同研究を更に展開してまいります。

*)https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2020/200420