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妊活応援商品 運動精子濃度テストキット 臨床検査と高い相関を確認

製品・事業

研究開発

妊活応援商品 運動精子濃度テストキット 臨床検査と高い相関を確認 ~男性の精子セルフチェックを後押し~

2021年9月22日

ロート製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:杉本雅史)は、ロートグループ総合経営ビジョン「Connect for Well-being」の実現に向けて、妊活応援商品の研究開発をすすめています。今回、大阪大学医学部附属病院産科婦人科(大阪府吹田市)にご協力いただき、「dotest® スマートフォン用運動精子濃度テストキット」の精度を評価した結果、臨床検査(検鏡)と本精子キットに高い相関があることを確認いたしました。本研究内容は第21回日本メンズヘルス医学会(2021年9月16日~9月30日)においてポスター発表いたしました。

研究成果のポイント

  • 「dotest® スマートフォン用運動精子濃度テストキット」で得られる精子カウントが臨床検査(精液検査)の値と高い相関があることを確認
  • 「dotest® スマートフォン用運動精子濃度テストキット」の活用により男性パートナーの妊活参加を促し、「ふたり妊活」をサポートしていきたい

研究の背景

ロート製薬は1980年代から「妊娠についての正しい知識を広め、応援したい」と考え、妊娠検査薬の研究開発及びOTC化に挑戦し、その後排卵日予測検査薬を発売するなど、市場をリードしてきました。「ドゥーテスト®(=do test)」というブランド名には、「正しい知識を身につけて、自分の体を自分でチェックする」という意味が込められています。WHO(世界保健機関)の調査によると、不妊原因の48%は男性にもあるといわれています。しかし、「妊活白書2020(※1)」では、こどもを欲しいと願う既婚男性のうち、「不妊は夫婦の問題である(原因は、男性・女性の両方に可能性がある)」ことを知っている人の割合は48.6%と、年々認知されてきているものの、まだ低いのが現状です。ふたりで一緒に妊娠について知り、考え、行動できるように、女性だけでなく男性が妊活に向き合うきっかけとなるよう、2021年2月16日より「dotest® スマートフォン用運動精子濃度テストキット」を販売しております。今回、本精子キットの精度を確認するため臨床検査との比較評価を行い、その結果についてポスター発表いたしました。

※1:「妊活白書2020」ロート製薬調べ、2020年調査実施

結果

結果1:精液検体を用いた運動精子濃度評価

「dotest® スマートフォン用運動精子濃度テストキット」によるカウントと、臨床検査(検鏡)の値を比較しました。健常人の精液検体を用い、臨床検査で得られた総精子濃度、運動率の値から、運動精子濃度を算出しました。また、同一の精液検体について、本精子キットで運動精子濃度をカウントし、これらの値について相関性を検証しました。その結果、本精子キットのカウントは臨床検査の値と高い相関があることを確認しました(相関係数0.74、iPhone8使用)。

【試験方法】健常人の精液検体を用い、臨床検査で得られた総精子濃度、運動率の値から、運動精子濃度を算出した。また、同一の精液検体について、本精子キットで運動精子濃度をカウントし、これらの値についてプロットし、相関係数を求めた。

結果2:濃度調製を行った精液検体における評価

自然妊娠可能な最低ラインの運動精子濃度(※2)を含めた3濃度の検体を調製し、「dotest® スマートフォン用運動精子濃度テストキット」の精度を評価しました。
健常人の精液検体を用い、密度勾配遠心法(※3)により運動精子濃度150万/mL、440万/mL、1300万/mLの検体を調製しました。結果1と同様に、臨床検査(検鏡)で得られた総精子濃度、運動率の値から運動精子濃度を算出しました。また、同一の精液検体について本精子キットで運動精子濃度をカウントし、これらの値について相関性を検証しました。その結果、自然妊娠可能な最低ラインの精液とされる670万/mL運動精子濃度付近についても、本精子キットの結果は検鏡の結果と高い相関があることを確認しました(iPhone8で相関係数0.86、AQUOS senseで同0.78、GALAXY A7で同0.82)。

※2:WHOが定める基準では、総精子濃度1600万/mL以上、運動率42%が自然妊娠できる最低限とされており、これらをかけあわせて得られる運動精子濃度670万/mL付近が自然妊娠可能な最低ラインと考えられます。
※3:密度の違いを利用した精子の分画方法です。今回、精液検体の濃度調製のため行いました。

【試験方法】健常人の精液検体を用い、密度勾配遠心法により運動精子濃度150万/mL、440万/mL、1300万/mLの検体を調製した。臨床検査(検鏡)で得られた総精子濃度、運動率の値から運動精子濃度を算出した。また、同一の精液検体について本精子キットで運動精子濃度をカウントし、これらの値についてプロットし、相関係数を求めた。

本研究成果の意義

「dotest® スマートフォン用運動精子濃度テストキット」は、臨床検査と高い相関があることを確認できました。また自然妊娠が可能とされる運動精子濃度の下限値であるとされる670万/mL運動精子濃度付近においても高い相関が確認できたことから、男性が家庭で精子のセルフチェックの一つとするのに有益と考えられ、専門医への受診のきっかけになるものと考えられます。

特記事項

本研究内容は第21回日本メンズヘルス医学会(2021年9月16日~9月30日)においてポスター発表いたしました。

  • 「ドゥーテスト」及び「dotest」はロート製薬株式会社の登録商標です。