再生医療を治療の選択肢に 特定細胞加工物細胞培養受託サービス 2014年「再生医療等の安全性の確保法等に関する法律」(以下、安全確保法)の施行により、医療機関様からの特定細胞加工物の製造受託が可能となりました。 ロート製薬は、再生医療等製品の開発を行う中で積み重ねてきたノウハウを活かし、再生医療という治療法を患者さまへ届けたいと思い、特定細胞加工物培養受託サービスを開始しました。医療機関様からお預かりした患者様の脂肪組織を、厚生労働大臣の許可を得た細胞培養加工施設(CPC:Cell Processing Center)で、培養・納品するサービスです。 当社は、ヒト由来血清・動物由来血清を使用しない無血清培地で細胞培養ができる技術を独自に見出しました。 また製造工程に於いて品質に大きく影響する培養士の技術水準の維持及び向上のために、ロートが定めた認定基準による教育訓練も実施しています。 「再生医療を治療の選択肢に」 医療機関様と共に、再生医療という選択肢を1日でも早く患者さまへ届けていきたいと思っています。 細胞培養加工施設(CPC)とは CPCとは、再生医療などに用いる細胞加工物等を製造するための施設です。特定細胞加工物等を製造するためには、製造施設ごとに厚生労働省の届出・許可・認定が必要であり、厚生労働省令に基づいて、製造管理や品質管理、施設内の衛生環境を厳しく管理しています。特定細胞加工物等は、ヒト由来組織をもとに製造されるため、全製造工程を通じて、汚染防止を目的とした繰り返しの無菌操作が求められます。無菌操作に係る作業区域については、適切な清浄度レベルを定め、24時間空調施設を稼働させ、温度・湿度・微粒子等を常にモニタリングしています。また入退室管理や作業の進捗状況も監視することで厳重なセキュリティ体制を敷いています。 特定細胞加工物製造許可施設番号 ロート幹細胞加工センター東京:FA3190001 ロート幹細胞加工センター:FA5160003 インターステム株式会社東京CPC:FA3170005 RCFTプロセシングセンター:FA3150002 お問い合わせはこちら 受託培養の特長 治療までの流れ ADMSCとは 受託培養の特長 Features ロート製薬は動物由来の原料を細胞培養に使用していません。 AOF(Animal Origin Free):動物※・ヒト由来成分を含まないことを確認しています。 ※動物の定義は動物界とする(脊椎動物、無脊椎動物を含み、原生生物は不含) AOF培地について 1 自社開発した無血清培地にて培養 動物・ヒト由来原料を含みません 再生医療等製品材料適格性確認書を取得 細胞培養のために患者さまの採血は不要 2 徹底した施設管理 交差汚染、微生物汚染を防ぐ施設運用 管理された空調システム 定期的なバリデーション*を実施 *バリデーションとは、施設や機器(クリーンルーム、インキュベーター等)が適切に機能し、期待される品質の製品を恒常的に製造できることを検証し、文書化すること。 3 製造と品質 社内独自の教育訓練プログラムに合格した培養士が培養 無菌製剤の開発や製造のノウハウに基づく品質管理を実施 規定の温度管理下で脂肪組織・製品を搬送 4 大量培養技術 1回の脂肪採取で細胞を大量に培養することも可能 複数回の細胞投与も可能 中間体※の保管可能 ※中間体は、細胞の培養過程の途中で凍結保存したものです。脂肪組織を再採取することなく、追加製造することも可能です。 5 安定供給 国内に4ヶ所の細胞製造拠点を展開 特定細胞加工物等製造許可を取得済み ロート幹細胞加工センター ロート幹細胞加工センター東京 インターステム株式会社 東京CPC RCFTプロセシングセンター 治療までの流れ Flow to treatment 「再生医療等提供計画書」の提出・受理までの流れ 医療機関様が再生医療を提供する際には「安全確保法」に基づく対応が求められます。 特定認定再生医療等委員会へ審査申込 審査書類提出 特定認定再生医療等委員会と契約 審査費用の支払い 特定認定再生医療等委員会で審査 意見書発行 厚生局に提出、受理(計画番号付与) 治療開始 定期報告(毎年) *意見書発行までの流れについては、特定認定再生医療等委員会にご確認ください。 組織採取から治療開始まで 医療機関にて採取した脂肪組織を用い、治療時に使用する特定細胞加工物を製造・保管いたします。 医療機関 組織採取 治療 診察、同意説明 感染症検査 脂肪採取 細胞投与 経過観察 ロート製薬 細胞加工 製品保管 受入試験 細胞抽出・培養 品質管理試験 凍結保存 製品保管 ※-150℃以下 1回の組織採取で複数回治療が可能 医療機関 ロート製薬 組織採取 診察、同意説明 感染症検査 脂肪採取 細胞加工 受入試験 細胞抽出・培養 品質管理試験 製品保管 凍結保存 製品保管 ※-150℃以下 治療 細胞投与 経過観察 1回の組織採取で複数回治療が可能 脂肪由来間葉系幹細胞(ADMSC)とは? About ADMSC ADMSCとは、Adipose-Derived Mesenchymal Stem/Stromal Cells の略で、脂肪由来間葉系幹細胞を指し、一般的に多種多様な効果を有することが報告されています。 組織修復 疾患で壊れた組織の細胞の 分化や増殖を促し、 組織の機能を回復させる 酸化抑制 活性酸素による 細胞ダメージを抑え、 疾患へと導く細胞老化を抑制する ADMSC 活性酸素種 アポトーシス抑制 患部の組織内で 起こっている過剰な 細胞死を抑制する ADMSC Apoptotic cells 免疫調節 乱れた免疫バランスを正常化し、 患部で起こっている免疫システムに よる不適切な組織攻撃を抑制する Attacker Suppressor 炎症抑制 組織破壊へとつながる 炎症を抑制し、 組織の修復をサポートする ADMSC 炎症因子 血管新生 血管を新たにつくり、 患部に起こっている虚血状態を 解除し、治癒を促す 成長因子、酸素、細胞 etc… 引用文献 Andrzejewska A. et al. Concise Review: Mesenchymal Stem Cells: From Roots to Boost. Stem Cells. 2019 Jul;37(7):855-864. (https://stemcellsjournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/stem.3016) Stavely R. et al. The emerging antioxidant paradigm of mesenchymal stem cell therapy. Stem Cells Transl Med. 2020 Sep;9(9):985-1006. (https://stemcellsjournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/sctm.19-0446) お問い合わせはこちら ロート製薬株式会社 〒105-0022 東京都港区海岸1-2-20 汐留ビルディング20F
交差汚染、微生物汚染を防ぐ施設運用 管理された空調システム 定期的なバリデーション*を実施 *バリデーションとは、施設や機器(クリーンルーム、インキュベーター等)が適切に機能し、期待される品質の製品を恒常的に製造できることを検証し、文書化すること。
1回の脂肪採取で細胞を大量に培養することも可能 複数回の細胞投与も可能 中間体※の保管可能 ※中間体は、細胞の培養過程の途中で凍結保存したものです。脂肪組織を再採取することなく、追加製造することも可能です。