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ロート製薬、マイクロソフトのイノベーション拠点「Microsoft AI Co-Innovation Lab Kobe」を活用したAIプロジェクト

製品・事業

ロート製薬、マイクロソフトのイノベーション拠点「Microsoft AI Co-Innovation Lab Kobe」を活用したAIプロジェクト ~ザ・メンソレータム・カンパニー135周年に向けたお客様とAIとの共創企画~ 150万件以上のお客様から頂いた声が、ハートあふれる画像となりました

2024年6月7日

ロート製薬株式会社(大阪府大阪市、社長:杉本雅史)は、Microsoft Corporation(以下、マイクロソフト)のイノベーション創出拠点「Microsoft AI Co-Innovation Lab Kobe」(兵庫県神戸市 所長:平井健裕)を活用し、生成AIでお客様の声を解析・集約し、新たな価値を生み出すプロジェクトを2024年5月までに実施しましたので、その成果をご報告します。
ロート製薬の子会社であるザ・メンソレータム・カンパニーがもつ世界110か国以上のお客様とのネットワークから、これまで会社や商品に寄せられたお客様の声をAIで解析・集約し、擬人化したAIから、画像生成するスキームを作り、最終的な画像生成を行いました。今回のプロジェクトで得られた知見は、今後、お客様から頂く声の解析を商品やサービスの開発などに応用するなど、テクノロジーを積極的に活用した新たな価値創出に取り組んでまいります。

本プロジェクトの背景と内容

ロート製薬の子会社であるザ・メンソレータム・カンパニーは、1889年に創業し、これまで世界110カ国以上のお客様に商品をお届けしてまいりました。長年お客様の悩みに寄り添うブランドとして歩みを進めており、会社やメンソレータム商品に寄せられた15カ国(アメリカ、中国、カナダ、香港、台湾、ベトナム、シンガポール、マレーシア、タイ、オーストラリア、イギリス、南アフリカ、韓国、ネパール、日本)のお客様からのお声は1,525,571件にのぼりました。
本プロジェクトは、マイクロソフトの生成AIサービス「Azure OpenAI Service」を活用し、これらのお声を元に、以下のスキームを設計して取り組みました。

実現に向けては、GPT-4(大規模言語モデル)、embedding-ada-002(Embedding モデル)、DALL・E(画像生成モデル)を使用しました。

お客様の声の集約の過程では、国ごとのお客様のすべての声を Embedding モデルでベクトル化して意味空間上にマップし、k-means アルゴリズムに基づきクラスター分類を行ったうえで、GPT-4にて分類ごとの代表的な声を抽出しました。さらに、プロジェクトメンバーでお客様の声の感動や感謝を感じる内容を定義し、それに基づいて、GPT-4を使用してお客様の声を抽出しました。それぞれの抽出した声を統合することで、全てのお客様の声を集約しました。AIを擬人化する過程では、メンソレータムのキャラクターである,純粋で思いやり深いリトルナースをお客様の声を受け止めるペルソナとして定義し、プロンプトエンジニアリングを行いました。まず、集約させたお客様の声を受け止めた擬人化AIリトルナースに、お客様に向けた感謝のお手紙を生成させました。それを元に擬人化AIリトルナースに画像生成のプロンプトを生成させ、DALL・E(画像生成モデル)にて画像を生成しました。

お客様から届く声は通常、商品ごとに分類しておりますが、今プロジェクトでお手紙と画像を導き出す過程をふみ、お客様のお悩みや気持ちに焦点をあてることで、商品が異なる場合であっても、お客様にどのように喜んでいただけたかを解析する手法を見出しました。AIの文脈を読み取る能力の高さと、Embeddingモデルを活用することで、今後、より一層、お客様の声に耳を傾けながら、新たな商品開発に役立てるヒントが得られるものと考えております。
同様に、各国に寄せられたお客様の声を元に15カ国分同じプロセスを実施し、生成された画像をひとつの画像に集積しました。画像生成のプロンプトに指定しなかったにもかかわらず、たくさんのハートがちりばめられた画像が生成されました。

メンソレータム135周年を機に、私たちが歩んできた軌跡は、お客様と共に歩んできたものであることを再認識し、お客様への感謝を忘れず、この先も世界中のお客様に喜んでいただける商品をお届けすることに全力で取り組んでまいりたいと考えております。

本企画を行うにあたり、Microsoft AI Co-Innovation Lab Kobeのご協力は欠かすことができないものでした。
本企画を通して得られたデータ解析等のAI技術は、今後より一層のお客様の満足につなげるべく、商品の開発アイデアやサービスなどに活用する予定としております。

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