脱炭素社会

ロート製薬(グループ)では、2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現に向けて、気候変動対応を最重要課題と捉え、温室効果ガス(GHG)を削減することが、社会全体の課題となることを理解し、オフィス・工場等における省エネ、移動・輸送等の際の環境負荷の低減についてさまざまな取り組みを行ってまいりました。CO2排出量については目標値を見直し、2030年までにScope1・2を2013年度比で46%削減する目標を掲げて活動しています。2024年度には、2013年度比で35.4%の削減を達成しました。引き続き、事業活動における温室効果ガスの排出を削減し、地球温暖化の緩和に積極的に取り組んでいきます。

目標の設定

  • Scope1・2の合計CO2排出量を2030年度に2013年度比で46%削減
  • 中間目標として、2025年度に2013年度比で30%削減

Scope1・2 削減に向けて

2030年までにScope1・2のCO2排出量を2013年度比で46%削減する目標を掲げて活動を推進しています。

削減に向けて

削減に向けた取り組み

  • CO2フリー電力の購入
    水力、風力、太陽光等のCO2を発生しない再生可能エネルギーで発電された電気を購入し、買電電力消費によるCO2排出を2030年度までに27.6%削減
  • 上野工場の新工場棟への太陽光発電設備の設置及び地中熱ヒートポンプを導入
    稼働状況に合わせ、2023~2024年度に太陽光発電設備の設置及び地中熱ヒートポンプを導入し、発電及び買電電力消費によるCO2排出量を既存と合わせ毎年1~2%削減
  • 保全・運用改善、排熱利用、エネルギー転換
    エネルギー消費を2030年度まで年間1%以上削減

Scope3 削減に向けて

ロート製薬では、2021年度よりScope3の算出を開始し、サプライチェーン全体でのCO2排出量の把握を行っています。全体のCO2排出のうち、Scope3が約95.7%を占めていることから、排出量削減の重要性を重く受け止め、サプライヤーとともに全社での取り組みをいっそう強化し、推進していきます。

2024年度CO2排出量のScope別内訳

スコープ3のCO2排出量

※表の右端が切れて表示される場合は横スクロールしてご確認ください。
カテゴリ- CO2排出量
(千t)
比率
(%)
備考
カテゴリ1 購入した製品・サ-ビス 196.5 85.6%
カテゴリ2 資本財 13.9 6.0%
カテゴリ3 スコ-プ1・2以外のエネルギ- 3.4 1.5%
カテゴリ4 輸送・配送(上流) 5.1 2.2%
カテゴリ5 事業から出る廃棄物 0.2 0.1%
カテゴリ6 出張 2.3 1.0%
カテゴリ7 雇用者の通勤 1.4 0.6%
カテゴリ8 リ-ス資産(上流) 0.9 0.4%
カテゴリ9 輸送・配送(下流) 1.4 0.6%
カテゴリ10 販売した製品の加工 該当なし
カテゴリ11 製品の使用 算定対象外
カテゴリ12 販売した製品の廃棄 4.4 1.9%
カテゴリ13 リ-ス資産(下流) 0.0 0.0%
カテゴリ14 フランチャイズ 該当なし
カテゴリ15 投資 該当なし
合計 229.6 100.0%

取り組み

工場での取り組み

コジェネレーションシステムを導入し、最大需要時における買電電力量削減や排熱を冷暖房等に有効利用しています。また、新工場棟では、日照時間や天候に左右されない地中熱ヒートポンプシステムを導入し、空調負荷低減に利用しています。工場におけるエネルギーの電化を進め、また購入電力を再生可能エネルギーによって発電された電力メニュー(CO2フリーメニュー)に切り替えることで、エネルギーの再生エネルギー化を進めています。2024年度にはガス焚き温水ボイラーをヒートポンプ式温水器に更新することで電化を進め、その上で工場・研究所における購入電力のうち75.8%の購入電力をCO2フリー電力に切り替えました。2030年までに100%の切り替えを目指します。
また、太陽光発電の導入も進めています。2024年度には当社マザー工場である上野工場にて、当社3か所目となる新たな太陽光発電設備が稼働開始しました。国内外グループ会社の工場においても、太陽光発電設備の導入を順次進めています。

物流での取り組み

当社の製品は医薬品・化粧品が主流となるため比較的サイズが小さく、1回あたりの配送も多品種少量になりがちですが、 まとめ配送やパレットの段単位での発注とするなど、配送の効率化を進めています。また、お取引先と協力してモーダルシフトを実現し、CO2排出量の削減につながっています。今後もお取引先と協力しながらともに効率化を進め、環境配慮に努めていきます。

モーダルシフト

当社では、代理店様とともに、陸送(トラック)から、より輸送効率の高い船舶輸送(フェリー)へのモーダルシフトを九州地方への納品から進めています。この取り組みは、ドライバー不足対策や長距離運送に伴うドライバーの労働環境改善、さらにはCO2排出量の削減に寄与しています。

配送頻度の削減

当社では、物流の効率性を高めると同時に、環境負荷及び輸送コストを低減する、持続可能な配送体制の構築を目指しています。トレーラーの上部空間を活用し、積載効率を65%から最大95%へと改善したことにより、工場から関東倉庫へ商品を輸送するトレーラーの輸送台数を1日あたり4台から3台に削減することが可能になりました。また、他企業との共同配送もスタートしています。引き続き効率化と改善に取り組んでいきます。

積載効率の改善

パレット面積を最大限活用した積載を目指し、パレット利用最適化等の改善活動をすすめています。2021年と2024年の比較において、パレット面積を十分に活用できている積載(パレット面積利用率80%以上)の利用率が8ポイント上昇しました。

オフィスでの取り組み

毎週金曜日はカジュアルフライデー、夏期はクールビズを導入し、オフィスの省エネ化、CO2排出の削減に努めています。

営業活動における取り組み

当社では、営業担当者がお取引先を訪問するなどの目的で、営業車を使用しています。営業車のCO2排出量削減のため、車両数自体の削減、ハイブリッド車などより環境負荷の低い車種への切り替えを行っています。2003年よりハイブリッド車の導入をスタートし、現在はすべての営業車がハイブリッド車に切り替わり、CO2排出量の低減に寄与しています。