当社は「人の健康のためには、地球の健康が不可欠」と考え、限りある自然資本を有効に活用するために、環境に配慮した原料や材料を使用するだけでなく、お客様がご使用された後の廃棄量の削減にも積極的に取り組んでいます。お客様のニーズや使いやすさにもこだわりながら、環境に配慮した資材への切り替えを行い、対象製品には環境マーク「R・eco」を表示しています。
プラスチックの削減
プラスチックの過剰な使用や不適切な廃棄は、ライフサイクルで生じるCO2排出による地球温暖化や海洋プラスチックごみによる生物多様性への影響など、さまざまな環境問題とも関連しています。当社グループは、2023年7月にロートグループプラスチック方針を発表いたしました。プラスチックを材料とした製品を製造・販売する企業として、環境に配慮した商品開発に継続的に取り組んでいきます。
プラスチック使用量を削減
①詰め替えパウチの提案
2005年に肌ラボから詰め替えを発売し、それ以降も新ブランドで積極的に詰め替えを採用。年間1,400t以上の削減につながっています。
②付け替え容器の提案
詰め替えの難しいクリーム剤型の商品を中心に、付け替えて使用できる容器の採用を進めています。オバジ、SKIO、エピステームの一部商品に導入し、オバジXダーマアドバンスドリフトでは、本体比較でプラスチック使用量91%ダウンを実現しました。
2025年にはエピステームのステムサイエンスローションcを付替え用リフィル対応ボトルに変更し、ステムサイエンスシリーズの計3品で付け替えが可能になりました。ステムサイエンスローションcの容器では、使用後廃棄するプラスチック量の80%削減を達成。高いデザイン性を保ちながらも廃棄物を減らし、化粧品を使う楽しみと環境への配慮を両立しました。
③容器の軽量化
ボトルの強度を保ちながら、厚みを減らし軽量化を実現。プラスチック使用量だけでなく、生産・輸送にかかるエネル ギーも削減でき、環境負荷の低減につながっています。ロートCキューブソフトワンでは、従来品と比較して30%の削減を実現しました。
④容器ラベルの削減
ロートCキューブシリーズでは、容器のラベルを最小限にすることで、ラベルプラスチック量を従来品の50%削減することができました。
⑤アイキャッチシールの削減
2021年より順次、商品に添付しているプラスチック製アイキャッチシールを廃止し、プラスチック使用量の削減に努めています。外装フィルムへの直接印刷や、容器への直接印刷などに切り替えることで、お客様の視認性は確保しながら、プラスチック量の削減に取り組んでいます。
⑥目薬用携帯袋の廃止
品質等を考慮した上で、対応可能な目薬製品についてはプラスチック製の携帯袋の同梱を廃止しています。
⑦オーバーシュリンクの廃止
50の恵養潤液シリーズではオーバーシュリンクを廃止しました。商品の見た目やバージン性を損なうことなく、プラスチック量の削減をしました。
⑧梱包材の簡素化・廃止
フィルム包装によりまとめていた目薬を、バンドタイプに変更することで使用するフィルム量を削減しました。
SKIOシリーズでは外装と緩衝材が一体となったバブルパックを採用することで、従来より環境に配慮したエシカルなパッケージを実現してきましたが、バブルパックを廃止し、一部の商品でリサイクル紙を利用した箱に変更することで、プラスチック量の削減に取り組んでいます。
環境負荷の少ない素材を使用
①植物由来の資材を採用
ボトルやパウチの材料として、植物由来のバイオマスを原料とする「バイオマスプラスチック」へ順次切り替えを行い、化石由来のプラスチック使用量を削減しています。
②リサイクル資材を採用
使用済みPETボトルを再生した「メカニカルリサイクルPET」をボトル・パウチ・ブリスターの材料として順次切り替えを行っています。
③物流資材の切り替え
物流における環境負荷低減を目的として、素材の一部に海洋プラスチック(OBP:オーシャンバウンドプラスチック※)を活用したプラスチックパレットを、当社物流センターでの製品の保管・荷役時の資材として導入し、2022年8月より順次使用を開始しています。
※海岸線から50km以内の内陸部で正式な廃棄物処理を行っていないコミュニティから収集されたプラスチック素材のこと
廃棄物の削減
プラスチックの過剰な使用や不適切な廃棄は、ライフサイクルで生じるCO2排出による地球温暖化や海洋プラスチックごみによる生物多様性への影響など、さまざまな環境問題とも関連しています。当社は、プラスチックを材料とした製品を製造・販売する企業として、環境に配慮した商品開発に継続的に取り組んでいきます。
工場での取り組み ―廃棄物の再資源化―
当社では、事業活動で発生した廃棄物を捨てるのではなく、再資源化して社会に還元することを目指して、廃棄物の分別を徹底し、廃プラスチックや古紙・鉄くずについては有価化を推進しています。また環境に配慮した優良な廃棄物処理業者を選定して適切な処理を確認しています。オフィスにおいては、紙類の廃棄を減らすため、オンライン会議を活用して紙の使用量を削減したり、文書の電子化を進めるなどの取り組みを進めています。
商品での取り組み
付け替え・詰め替えによる容器の再利用化、プラスチック使用量の削減、添付文書の内箱裏への記載化などにより、お客様にお届けした後の廃棄物量の削減にも努めています。
添付文書の別紙同封の廃止
OTC医薬品に必要な添付文書を紙箱の内側に記載することで、別紙で同封していた紙の使用量と、捨てる紙の量を削減しています。目薬や皮膚用薬、胃腸薬などで順次導入を進めています。
2024年度には新たに「なみだロートファイブ」や「パンシロンキュアSP(顆粒)」などに導入しました。
梱包材の減量
梱包方法を見直し、一部商品について内箱を使用した梱包から段ボール仕切りによる梱包仕様に変更しています。
小売店との取り組み
返品・廃棄の削減
当社では、廃棄物削減の一環として、長年の課題となっていた医薬品・化粧品業界における返品の慣習を改善し、返品を削減するために、2015年よりプロジェクトとして取り組んでいます。花粉症対策品や日やけ止め、乾燥対策品など季節性のある商品においても、小売店との協力により最適な店頭在庫を実現する為に出荷をコントロールし、タイムリーに商品をお届けすることで返品の削減を実現しています。2024年度「Mottai-nai」プロジェクトとして取り組みを継続し、返品率1.5%と低い水準を達成しました。
エシカル消費
2020年7月より、アスクル株式会社が運営する一般消費者向けインターネット通販サービス「LOHACO by ASKUL」の人気の売り場「OUTLET」内にある商品の廃棄ロス削減を目的とした「Go Ethical」に参画をしています。従来は廃棄処分対象※にしていたが品質には問題のない商品に関して、アウトレット売り場で再販売することで、廃棄ロスを削減しています。
※販売店・卸売会社からの返品で未開封の廃盤商品
サプライヤーとの取り組み -容器製造時の廃材リサイクル-
目薬の容器には医療用グレードの高品質プラスチックが用いられています。サプライヤーの工場では、成型時のプラスチック端材や、品質を守るための規格外の廃棄が出てしまいますが、当社ではサプライヤーと共同で、それらのプラスチック端材の再利用を進めています。2024年度には、リップの外装パウチ(一部品目)に採用しました。他の用途についても検討を進めています。
水資源の管理
水資源保護方針
ロートグループの事業活動では一定量の水使用が必要となります。水資源と密接な関連があるという認識のもと、水資源の有効利用は当社の社会的責任であるとの認識に立ち、事業全体からの水資源の有効利用、水使用量の削減、水質汚染の防止等の環境保全活動に取り組みます。
使用量削減の取り組み
当社の製品そのものには水使用が不可欠であり、生産量が増えると水の使用量が増加します。また品質を保つためには洗浄など生産工程での水も必要となります。製品の品質を保ちながら、環境負荷を最大限抑えることができるよう、使用量の効果的な削減に取り組んでいます。また工場での水使用量だけでなく、オフィスでのトイレ・手洗いの水洗抑制なども行っています。
水の効率的使用
当社の主要工場である上野工場では、一部地下水を利用しています。その精製の過程で発生する排水を再処理してリサイクル利用し、貴重な水資源の効率的利用に努めています。
排水の水質改善
毎日の定期的なモニタリングと調整により、排出による負荷を下げる努力をしています。